今月の使用感レポート<パート1>
(文責:堀内)
2020年に入っていくつかの石けんを製作しましたが、河野の入浴テストの結果が上がってきたのでご報告します。試験者の安全確保のため、入浴テストは台所での試用(素手)のほか、事前に遊離アルカリの測定を行い、JIS基準の10分の1以下(0.01%)を確認してから行っています。
1.ミストラル(2020年3月8日)
ミストラルは種々の油を調製した複雑な配合の石けんです。特徴はトリグリセライドの分解のために配された脂肪分解酵素リパーゼで、石けんは調製した油脂から類推される特性をはるかに上回る起泡力と洗浄性の良さを示します。ビタミンEの働きを強化するビタミンCも配されており、酸化抑制に効果を発揮します。以前作った在庫がなくなったため、新たに調製することとしました。
以前は感じなかったが、ごま油が使われているので、ほのかなごまの香りがする。米油も配合されており、その特長である、肌に滑るようななめらかな使い心地が気持ちのよい石けんに仕上がっている。洗い上がりは肌がサラサラになる。皮脂汚れをよく落とし、さっぱりしたいときにおすすめだと思う(河野)。
2.カスティール石けん(2020年3月10日)
獣脂とオリーブ油から成るカスティール石けんは石けんの古典的レシピです。当舎でも「サボン・クラシコ」の名で製作していましたが、今回はゾルザイフェ技法を用い、ゲランド塩を用いて性状性質を改善しています。刺激性のあるカプリル・カプリン酸を含まなず、他の刺激成分も含まないため、豚脂アレルギーの方を除けば、刺激の極めて小さな石けんです。配合の特徴として冷水では泡立ちませんが、硬く、温熱環境で効果を発揮します。72雑貨石けんと同じく、清掃用、台所用として製作しましたが、浴用でも使えます。写真はターメリックと香料を配合したタイプですが、無香がデフォルトです。
とてもよい泡立ちで、くせがない素直な使い心地。泡の肌触りは軽めだが、ややしっとり感も残り、シンプルで使いやすい石けんになっている。石けんそのものは固めの仕上がりで、長持ちしそうな感じもよい(河野)。
3.72雑貨石けん・ゾルザイフェ型(2020年3月11日)
72雑貨石けんの配合にキレート剤として砂糖を配合し、ゲランド塩のゾルザイフェ技法を用いただけのものですが、冷水・温水での使い勝手の良さもさることながら、溶け崩れしにくく何でも使える万能型の石けんです。製作コストもデクレットより廉価のため、雑貨用から浴用に用途を変更して増産を決めました。浴用型は正式な名称を決め、4月にはお目見えできると思います。
とても泡立ちがよく、しかも華やかで大きな泡。弾力性もあり、しっかりと洗える石けんに仕上がっている。泡は滑らかでくせがなく、洗い上がりはほどよいしっとり感が残り、肌のつっぱりもなくとても使いやすい、万人向けの石けんになっていると思う(河野)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?