息も絶え絶え
新東名高速を走行中、急激な豪雨に襲われた。
ワイパーの機能を超越した豪雨で、瞬間的に視認不能になる。微かに前方を走る車のテールランプが滲んで見える。
家を出る時には薄曇り、『湿度が少し高いくらいで、ゆっくり出来るな。』というつもりで出かけたのに、とんでもなく激しい豪雨だ。
周りの状況が判断できないのでそのまま走るしかない。後続車があるのでブレーキはかけたくない。
路外に飛び出さないように白線を目で追っている。しぶきが跳ね返り白線の視認もむづかしくなった。
パーキングに入ろうと思ったが白線を目で追っているうちにタイミングを逃してしまった。
この状況だと追突される恐れがあるので路肩に停まることもできない。
隣で妻が怖がっている。
オートドライブに切り替えるのにも前方から視線が外せない。
この路線はトンネルが沢山ある。トンネルの中は心理的に楽だ。スピードを落とそうとしたら、結構な数の車が並走していた。先ほど急ブレーキを踏まなくてよかった。
この次のパーキングで休憩しようと思った。
トンネルを出ると又すぐに豪雨に見舞われた。本当に滝に打たれているようだ。急に前方の車のブレーキランプが迫って来た。
止むを得ず追い越し車線にでた。先ほどの車を追い越すべく加速したところ、中央寄りに水溜りがあった。
水溜りに突っ込んだところ、大きく車が弾んでテールが流された。ブレーキを踏むとスピンするのでそのままハンドル調整し慣性に任せた。
無事にパーキングエリアにたどり着いた時、隣の妻も安心した顔をしていた。
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