あ・うん
しばらくこの屏風の前から動けなかった。
圧倒的な迫力、存在感。
犬山城城下町にある、アトリエ日月のオーナー伊藤鶯村先生の字だ。
あの小柄な優しい人が、こんなダイナミックな力強い字を書かれている。
先生は「自分の一生を『阿・呍』で表した。」と仰っている。
白黒が反転していて、私の研究テーマの「絵はリズムだ」の本質を表現している。
通常は、字は黒く表されているので、背景の白部分を見落としてしまう。この字は白黒を反転して書かれているので妙に背景の黒地が目につく。
この屏風を見ていて、書においては、黒も白も同価値で重要だということに気づいた。