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サンディエゴ

オーランドで行われる、ゴルフ用品の発表会にブースを借りて、新開発したゴルフクラブを出品しました。

サンディエゴにあるタイトリスト社から、「私の発明したゴルフシャフトを購入したい」との情報があると、ニューヨークの弁護士を通して連絡がありました。

このシャフトについては既に世界特許を取得済みでしたので、すぐに商談に入ることが可能でした。

早速、ニューヨークから専門の弁護士二人を同伴して、サンディエゴのタイトリスト社を訪問しました。

タイトリストの執行役員と、二人の弁護士と私との四人で和やかな会談が行われました。後日、タイトリストの執行役員が正式契約のために日本を訪れる約束をしました。

このシャフトの仕組みは簡単で、シャフトに描かれているロゴを特別な形に変形して配列を変えると空気抵抗が減り、シャフトのスピードが上がるというものです。
現状のものの配置を少しずらしただけです。

シャフトのスピードが上がればボールの飛距離が伸びるのは当然です。
T 自動車の社員で、大学のゴルフクラブ出身の方が、あるコースで340ヤード右ドッグレッグを OB して「こんな距離を出したことがない」と喜んでいた話が届いています。

タイトリスト本社での商談が終わった後、我々3人は現地に泊まることにして、すぐ近くにあった港からヨットを出してもらって3人で湾内クルーズをしました。

綺麗なサンディエゴの海の写真を撮っていると、いきなり前方から潜水艦が浮上してきました。
初めて潜水艦が浮上してくるところを間近にみて驚いていると、その視線の先に、ステルス艦船が見えました。
畳を2枚立て掛けあったような、三角形に見える軍艦です。

ここはアメリカ軍の重要な軍港だったのです。
同乗している弁護士に、「写真を撮らないほうがいいか」聞いたところ、「絶対に写真はやめた方が良い」というのでやめました。

行動は監視されているそうです。
改めて周囲を見渡すと、映画のような物々しい雰囲気がして圧倒されましたが、綺麗な景色を堪能しました。

後日、タイトリストの執行役員が来日するというので、ニューヨークから弁護士も呼び寄せ、同席してもらいました。

帝国ホテルに宿を決め、会談日には順調に話が進み、「後は R&A の許諾をとってください」と、最後の段取りを決めお互い笑顔のうちに会談終了しました。

後日、R&A から届いた通知は信じられないものでした。
飛距離を伸ばすように空気抵抗を減らす加工をしたものは不許可にする。

ゴルフボールにディンプルを大々的につけて、空気抵抗を減らして飛距離を伸ばすものは許可されて、今回のシャフトのように、ほとんど見た目では分からない、手で触らないとわからないほどの加工は許可されないとの、ダブルスタンダードに呆れ返ってしまいました。

私の、今回発明した、表層剥離を遅延させる技術は、県の技術支援の対象に選ばれまして300万円の補助金をいただきました。

全額を大阪建築総合研究所に寄付し、そこでなされた、数々の実験データが、阪大で行われた流体力学の学会で発表されました。

この技術は、現在、斜張橋の共振防止の装置に使われていると聞いて喜んでおります。








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