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トチ狂う
久しぶりに、新年早々雅楽の正式お稽古をつけていただいた。
雅楽は歴史が古く、西アジアから広い地域の楽舞広範囲にわたって起こったものが中国や朝鮮を経て、1400年ほど前に、日本に伝わったと言われている。
今回のお稽古は正式なもので、1音づつ音をチェックしていく本格的なものだった。
雅楽の中で使われている言葉が現代の日常語になっているのはよく耳にする。例えば『千秋楽』だとか『塩梅』(雅楽では字面通り『えんばい』と発音するが日常語では『あんばい』と発音している。
とちぐるう【とち狂ふ】
(動ハ四)
〔「どちぐるう」とも〕
たわむれる。ふざける。「黄色な声を上げて、きい〳〵といつて、—ふ/滑稽本・浮世風呂3」
4年ぶりに『五常楽急』をおさらいしたが、休憩時間に『トチ狂う』の出典を教えていただいた。
トチ狂うの意味は辞書では上記のように解説されているが、原点ではこのようだ。
『五常楽急』の唱歌(しょうが)では、トロで始まり二行目末の返しで頭のチラに返る。これを合奏で誰かが間違えて、三行目のトラに進んでしまったりするとトとチがぶつかり、その変な音からトチ狂うという言葉ができたそうだ。