東尋坊
石川県で開催された会議の帰り少し遠回りをして福井県三国の東尋坊に立ち寄ってみた。会議終了後なので日が陰ってくる時間帯だ。
駐車場には車が無い。観光客も引き上げてしまったらしい。人影は無いし寂しい雰囲気だ。
初めて来た場所なので、興味がある。もう少し先端に行ってみようと崖の方によってみた。
もう少し先へ行ってみようとギリギリまで近寄ったら、何と無く後ろで人の気配がする。
そんなこと気にせずに、じっと崖下の岩にぶつかる波を見ていた。
時間も過ぎて薄暗くなって陽も落ちそうになったので、帰ろうと思い振り返ったら後ろに4〜五人の人が立っていた。
ハット思い出した。「ここは自殺の名所だ」
商店街の人たちが、自殺を止めようと後ろに迫って来ていたのだ。
シャッターが降りていた商店が開いている。2階の窓からは人の顔が沢山のぞいていた。
私が怪訝な顔をしてみると、みんな素知らぬ顔をして視線を逸らした。
優しい人たちに見守られて帰路についた。