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以心伝心

いしんでんしん【以心伝心】
①〔六祖壇経「法即以レ心伝レ心、皆令二自悟自解一」〕禅宗で、言葉では表せない仏法の神髄を無言のうちに弟子に伝えること。
②考えていることが、言葉を使わないでも互いにわかること。(大辞林)

英文は表音文字のアルファベットで表記される。

中国語は表意文字の漢字で表記される。

日本語は表意文字の漢字と表音文字のかなで成り立ち、漢字仮名交じり文として表記される。珍しく特殊な言葉で、奥深い。少ない言葉に大量の意味を含めることができる。             

5 7 5 で表される俳句などその典型だ。助詞を『に』とするか『を』とするかで景観、感情、動き、色彩、情景が変わってくる。作者の立ち位置も変わってしまう。

一句の解説で数十ページを要することもある。

日本語は短い言葉で膨大な意味を含ませることができるのだ。日常的にこれを使いこなしている。

語順によることも影響している。

日本語は最後まで聞かないと YES なのか NO なのか分からない。だから相手の発言を注意深く聞く習慣がついている。

その経験から、相手の発音、素振り、目の動きなどで相手の意思を予測する能力が身についている。

以心伝心という言葉がある。言葉を使わなくても互いにわかることだ。この能力を使っていると思われる。

英語や中国語など最初に結論を述べる言語はお互いに相手の言うことを良く聞く習慣がない。お互いに自分の言いたいことを主張するだけだ。

自分の意見は言い続けなければならない。以心伝心などない。発言しなければ誰も注目しない。次の会議に呼ばれることもない。その場だけの言葉なのだ。

いろんな文化にも影響してくる。

業務上の契約書についても同じことが言える。日本語の契約書は相手の言うことを吟味して契約する。契約書も数ページで完了し薄い。約束を守ることが前提だ。

英文の契約書を見るとよくわかる。約束を破ることが前提なので、破った場合のペナルティを書き連ねてある。数百ページの契約書は普通である。契約書の内容より条件の良い話があれば躊躇なく契約を破棄する。

日本語は膨大な意味を含んでいるので英語にストレートに翻訳できないのだ。

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