発見した
人生最大の発見をしたようだ。
マルクス・ガブリエルの著書『世界史の針が巻き戻るとき』を読んで、気付いた。
彼はドイツ人だが日本人を非常に注目している。
『世界中の先端技術の担い手がドイツと日本である』と認識している様子だ。
この本を読むまでは『日本人がなぜ英語が苦手なのか』、『なぜ西洋人と日本人の考え方が違うのか』わからなかった。
なぜ違うのかを発見するために、哲学書もたくさん読んだ。
西洋人の哲学は、内容は理解はできるが納得はできないことばかりだった。
それがたった今、氷解した。マルクス・ガブリエル様様である。
マルクス・ガブリエル 1980年生まれ。史上最年少の29歳で200年以上の伝統を誇るボン大学の正教授に就任。西洋哲学の伝統に根ざしつつ、「新しい実在論」を提唱して世界的に注目される。(世界史の針が巻き戻るとき 裏表紙)
西洋の若き天才哲学者として認証されていることを確信したのでこの著書を読み解いてみる。
読み始めの頭初から何か違和感を感じる書き出しで衝撃を受けた。
EU(欧州連合)の問題は多くの極端な文化があることです。....(中略)....ナポレオンやヒトラーなどによって、ヨーロッパを一つの大きな文化に統一しようとした試みは、これまでも全て失敗に終わりました。現在のヨーロッパは完全な崩壊状態にあります。(世界史の針が巻き戻るとき p. 22)
『誰も真実を求めなくなった時代』 今、世界には人の認識を操作するビジネス(manipulation business) がはびこっています。各国のアクター(行為者)たちが、全くデタラメの自己アピールをしているのですから。(世界史の針が巻き戻るとき p. 29)
このように独自の考えを延々と展開してくる。
しかし彼は西洋人の考え方を披露してくれた。若いせいでストレートな物言いをしている。他の老練な作家や哲学者は上手にそこいらをごまかしている。
私が、日本をひと言で表そうと思ったら「精神の可視性」と言います。日本は非常に可視化されたメンタリティを持っているのです。フランスのロラン・バルトの考えとは真逆です。日本人はお互いの気持ちが手に取るように見えるのです。(略)ドイツ人はこれが非常に苦手です。日本とは真逆で、ドイツでは他人の気持ちを読もうとすることはアンフレンドリーと思われるので、してはいけないと考えられています。(世界史の針が巻き戻るとき p. 111~p. 112)
『彼ら西洋人は相手の言うことなど理解せず自分の意見を言い募る』ということです。
どうしてキリスト教は他宗教を認めないのか。この疑問にも回答が引き出せる。
彼は哲学者でありながら真実を求めようとしている。勘違いしていけないのは、哲学は『真実を求めるのではなく全てを疑ってみる』と言う立場だ。宗教は真逆で『全てを無条件に信じる』と言う立場だ。
彼等のこの真実を見つけようとする姿勢と、他人の考えを全く気にしないと言う態度がキリスト教を生み出したのだと思う。
他人を全く信用しない。だから同じ宗教を信じている人だけでグループを作る。この宗教を信じない人を殺してしまう。ヒトラーも同じ、他人を信じない。
十字軍から現代の戦争まで彼らが起こしている紛争が非常に多い。
言葉でもそう言える。ヨーロッパ語は相手のことを気にしない。自分のことだけを言ってる。
日本語は相手の反応を見て話すから、動詞が語尾にくる。
この本に出会って本当に良かった。
『彼らヨーロッパ人は日本人と分かり合えることはない』ということが立証できたことは嬉しくも悲しい。