平湯大滝
平湯観光協会の協力で平湯大滝の前で演奏をしたことがある。16人のフルバンド編成だった。大滝の前に野外ステージを組んでもらった。雪を踏み固めた真っ白いステージで、滑るし寒いしで、石油ストーブを置いてもらったけれど、全く用をなさない。滝は氷結していて外気温は−10度くらい。ステージ衣装は薄っぺらで寒くて凍えそうだった。
あまりに寒いので、勧められたお酒を飲んでしまった。普段はお酒にあまり強く無いのにいくら飲んでも全く酔わない。寒い地方の人がお酒に強いのが分かるような気がした。
傑作なのはトロンボーンのスライドが凍結してしまい。滑らなくなってしまうことだ。トランペットはスライドのあたりをカイロなどを当てると難なく動く。アナログキーボードは重いので軽量のシンセサイザーを搬入した。このシンセサイザーが低温による誤動作しまくりで、曲中いきなりヘリコプターの飛行音が「パタパタパタパタ」となったりピストルの音が「バキューン、ドキューン」と鳴り出し、もうシッチャカになってしまった。
急遽、jazz 演奏をやめて、演歌演奏に切り替えた。一緒にいた演歌歌手に演歌を歌ってもらってことなきを得た。
帰りに宿まで車で送ってもらえることになり車に乗った。暖房が効いて体が温まると同時に、先ほどいくら飲んでも何ともなかったお酒の酔いが廻ってきて記憶が飛んでしまった。寒い地域で飲むときは気をつけよう。