大失敗
出がけに電話して確認した。「サンフジはやってますか?」「今日から始めました」との返事を得て出かけた。
2時間近くかけて松川インターにたどり着き、お昼をゆっくりとって買い物をしたりして件のお店を訪問した。
「あんたか?あんたに売るリンゴはないよ。今日からリンゴ狩りを始めたばかりで、まだもいできてないよ。今は出始めで美味しくないから店頭に置かない。こんなリンゴはあんたに食べさせられない。今月末か12月のはじめにしてください」とのお言葉。
よくあるパターンだ。
私は果物が好きで、桃は山梨県春日居、ぶどうは勝沼、りんごは松川、みかんは有田まで買いに行く。果物屋で買うのとは違い、本当に美味しいものを売ってくれる。買う店はほぼ決まっているので本音で話してくれる。
栽培する果物によって、栽培農家のタイプが違うのも面白い。
桃は傷みやすい果物で、農家は早く売り切ってしまいたいので商売優先の気配がする。「桃は硬いほうが美味しい」などと言う。私は柔らかくつるりと皮が剥けるのが好きだ。
ぶどう農家は職人気質が多い。品種改良に興味があって常に研究している。商品にもプライドを持っている。特に美味しいものを進めてくれる。
みかんは栽培農家の直売よりも販売店が多い。いつも行く店は山の持ち主、木の種類、山の日当たりのどの位置になってるミカンなのかまで熟知していて教えてくれる。
和歌山県南部まで完熟梅を買いに行った時も、1週間早すぎて売ってもらえなかったことがある。その時は送付してもらうことにした。
りんご農家はどっしりと落ち着いた雰囲気がある。しかし変なものは売らないという信念はしっかりしている。
こういう、プライドを持って仕事しているお店ではタイミングが合わないと売ってもらえない。
今回はわざわざ来て手ぶらで帰るのも嫌だなと思い、店主オススメの、シナノスイートとシナノゴールドを買うことにした。
洋梨はラ・フランスしかなくて、ル・レクチェはもう少し後だそうだ、奥の方に鎮座していた幻の梨ゼネラル・レクラークを分けてもらった。
また12月に買い出しに来る予定だが、このオヤジさんとの会話が楽しみなので苦にはならない。
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