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雅楽

雅楽は1300年前から続いている。世界最古のオーケストラで、ユネスコの文化遺産に登録されたことは記憶に新しい。原曲はシルクロードの陸路、海路を通じて日本に伝わったのだが、日本で日本風に編曲され、オーケストラ形式に再編成された。

新年に東京楽所の演奏会が岐阜で開催され聴く機会をいただいた。東京楽所とは宮内庁式部職楽部員と民間の優秀な演奏者とで構成する団体だ。なかなか聴く機会は少ないが待ちに待った演奏会だ。今回は盤渉調を主軸に演奏された。管絃が3曲、舞楽が2曲演じられた。盤渉調のイメージは冬、黒を表す。雅楽には六つの調子が存在し、別々の季節感、色調が表されている。音色と言う言葉はここから始まったのだと思う。他に、雅楽が語源だと思われる言葉に塩梅、上手い(右舞)、舌好調などがある。

演目に盤渉調越天楽残楽三返(ばんしきちょうえてんらくのこりがくさんへん)があったが格調高く素晴らしいものだった。残楽三返とは曲を3回繰り返して、だんだん龍笛、篳篥等の楽器が演奏を止めていき最後には箏が残り止め手を奏す。平調の越天楽に比べ寂寥感もあり冬のイメージがピタリと会う。

この雅楽から1000年が経過した頃ハイドンが交響曲45番『告別』を作曲した。演奏を止めるだけでなく演奏者が退場するというパフォーマンスを演じて客席を沸かせた。

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