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黒豆

いよいよ年の暮も押し迫って黒豆を煮てみることにした。
担当は私。

ここ十年くらい黒豆の調理は私の仕事になっている。妻は私が 200g 1000円近くする豆を買ってもニコニコしている。

余程私が信頼されているのか、自分で作るのが面倒なだけか判断が難しい。
調理法を忘れたのでレシピを見てみる。

いろいろレシピを眺めて奇妙なことに気づいた。たくさん公開されているが、それぞれ内容が微妙に違う。

結論から言うと、どれも似たり寄ったり。自分の経験を語っていることが多く、科学的な根拠が少ない。

料理は化学だ。素材に色々な条件を与えて、素材の変化を楽しむわけだ。ここまで書いて、三十年ほど前に読んだ玉村豊男の『料理の四面体』を思い出した。

大体の粗筋は、「料理とは目の前にある素材をどのようにして食べるかの手順である。」くらいの意味だったと記憶している。

目の前にある素材、
「例えばこの黒豆をどう料理するか?」と考えると、
加熱の状況は生から高温まで加熱できる。
柔らかい黒豆を食べたいので、十分に加熱する。
媒体は直火か水か油か
この場合は水を使う。
形状はそのままか、切るか、砕くか、すりつぶすか
このままで良い。
調味料は、塩、砂糖、みりん、醤油、酒、酢、味噌等

今回は砂糖、醤油のみ使う。
柔らかくするために重曹を使えと書いてあるレシピがあるが、味が変わるので不使用とする。

この『料理の四面体』の凄いところは、レシピを見なくても、冷蔵庫やそこいらに転がっている野菜など適当な食材を使えば、料理が無制限にできてしまうところだ。

中華にするなら甜麺醤、花椒、豆豉、ラー油、オイスターソース等
イタリア料理にするならオリーブオイル、トマト缶アンチョビ、バルサミコ酢、ワイン等
インド料理にするならクミン、コリアンダー、ターメリック、生姜、ニンニク等を
アレンジすればそれらしい料理になる。



















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