ハンミョウ

満員のレストランで昼食中、妻が私の後ろを指差して「あれ、なに？」と聞いてくる。

半身になって振り返ると素早く逃げる小さな昆虫がいる。

色が地味だけど、すばしっこさから咄嗟に『ハンミョウ』ではないかと考えた。

非常に珍しいので写真に撮っておこうと、そっと席を立ち、何気ない顔で携帯を構えた。

足が速いので、追っかける動作が大きくなるが、他の客に気づかれることなく写真が撮れた。レストランで素早く走る昆虫が見かけられるとあまり良い印象を持たれないので大騒ぎにならなくてよかった。

昔、大分県で真夏に見かけた時のハンミョウは大きくて、玉虫色をしていたがこれは小さくて地味な色目をしている。

図鑑でしらべてみると、どうやら「ニワハンミョウ」らしいと判明した。

自然に囲まれた環境にいて、ゆっくりと観察できる時間があることに感謝している。