新鮮な魚が食べたい
ここ2年ほど魚釣りに行ってないので新鮮な魚に飢えていた。スーパーで売られている魚は基本的に網でとったものだ。血抜きもしていない。生臭さがどうしても残っている。釣った魚を船上で血抜きしたものとは全く別物だ。
厳密にいうと、イカ釣りには行った。しかしイカ釣りはイカだけに特化しているので魚は手に入らない。
とうとう、我慢できずに出かけることにした。
以前釣り仲間に紹介されていた石鏡の三幸丸を予約した。午前便午後便どちらも空いているとのことだったので、午前便を頼んだ。帰りに道路が混雑すると嫌だから。
朝6時に出港とのことなので、早めに寝ることにしたが、夜更かしの癖がついていて眠れない。遅刻すると迷惑をかけるので早出をして港で仮眠を取ることにした。
午後9時に出かけ午前1時に現地到着した。
途中SAで食料を調達するつもりで出かけたが、この騒ぎのおかげで、SAは営業が午後8時でストップしている。食料は何も調達できなかった。途中コンビニがあったが、コンビニ弁当とカップ麺はここ30年ほど食べていない。「昼に陸に上がるので、それから食堂に行けばいいや」と判断して朝食も抜いた。
午前1時に港に到着したので仮眠を取ろうとしたが、なかなか車の中は快適では無いので眠ることはできなかった。2時間ほどうとうとしていると、同乗の釣り客が集まってきた。
同乗の釣り客との挨拶は非常に大事なので、話しかけて仲良くなった。船上では糸が絡まったり、釣れた魚の取り込みで協力をお願いするなど、いろいろなハプニングが起こるのだ。
今回の釣りは『落とし込み釣り』という珍しい釣り方だった。初めての経験なので丁寧に指導をしてもらった。
仕掛けの針に餌を付けずに落とし込み、イワシやアジの小魚を食いつかせ、そのまま深場に落として大物を狙うと言う面白い釣り方だ。
慣れないのと、晴天で釣りにとっての条件はあまり良く無い。5時間ぶっ通しで挑戦したが、ハマチ3匹の釣果だ。このような貧果はあまり経過縁がない。呆然としたまま、午後便での再挑戦をすることに決めた。
船頭に残業を申請すると、笑いながら許可してくれた。
昼の休憩に陸に上がり、食堂を探したが休業とのことだった。夜食は無し、朝食も無し、昼食も無しだと体力が持たない。困っていると、ちょうど天の助けか、移動マーケットが来たので弁当を調達することができた。ただし、コンビニ弁当とあまり変わらない内容だった。
午後の便は船頭も責任を感じてか大物を狙いに違うポイントに連れて行った。カンパチを狙うそうだ。
カンパチは大好きな魚なので期待をしていた。
薄々知ってはいたのだが、カンパチは集団で回遊する習性があるので釣れる時間帯は限られるはずだ。
その思惑通り、船頭も中乗りをしてくれている船頭の息子さんも色々、釣り方とか棚を教えてくれるが、なんとも当たりが出ない。午後の便は12時半に出港して釣れ始めたのが午後5時頃。帰港する1時間前だ。
ようやくカンパチ2匹をゲットして帰港することになった。中乗りの息子さんも船頭も心から『ホッ』としているのが伝わってくる。
このような厳しい状況での釣りだったが、新しく、親切な居心地の良い船の開拓ができた。
往復8時間の運転と、実働10時間の釣りの結果得た獲物は勿論、きちんと血抜き処理されおり、美味しくいただいた。刺身の残りを漬けにしておいて、今朝いただいた『お茶漬け』は忘れられない味だった。