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猫残し

老犬のペットボウルを覗くと『猫残し』をしている。

猫は飼った事がないので本当に猫が『猫残し』するのかは知らない。

量が多いのかと思って、残しそうな分を減らしてあげると、減らしてもやはり少し残している。

私も食事中妻に『猫残し』をすると叱られる事がある。

どうして『猫残し』をするのだろう?自分の心理を追跡して、原因を考えてみる。

長男として生まれた私は両親に大事にされた。また、父方母方双方の初孫だというのでそれは大事にされたことを覚えている。

ところがあるとき弟が生まれた。今までの関心が一気に弟に集まってしまった。

それまでは関心は私一人にあり、おやつなどふんだんにもらっていた。食べきれないので、たくさん残していた。

弟が生まれて両親の関心が弟に移ってしまったので、つまらなさと寂しさで、おやつなどを全部食べてしまうようになった。

つまらない時間を過ごしていたが、あるとき突然「弟は邪魔者じゃない。家族の一員だ」という考えが頭をよぎった。

そうなると、「おやつを全て独占してしまうのは兄としてはいけない事だ」と思いあやふやではあるが「弟の分を残しておこう」と考えた記憶がある。

種の保存の法則か、全ての食料を食べてしまわずに、仲間に残そうとしたのかも。

うちの老犬も私のことを仲間として認めてくれているのか食糧を共有してくれている。


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