クラゲの大群
以前、イカの大群に遭遇した話をまとめておいた。今回はクラゲの大群に見舞われた話。
「お盆を過ぎたら、越前の海に潜ってはいけない」と先輩に言われていたのを軽く考えて素潜りに行った。水着に着替えるのももどかしく飛び込んだのだが、いつもと様子が違う。そう言えば、人が少ない。海に入っている人が居ない。海岸でそれぞれ遊んでいる。散歩をしたり、キャンピングカーから投げ釣りをしている人もいた。
水中もいつもと違う、水面に近いところがクラゲで何層にも埋まっている。見渡す限り、クラゲだ。小型のアンドンクラゲ。これに刺されると痛くて一週間は腫れがひかない。「これだけのクラゲに刺されたら救急車で入院だな。」と思い必死で圏外に出ようと泳いだ。私の潜水可能時間は最大で2分半、強く泳いだので時間は短くなる。息の限界がきたので入院を覚悟してクラゲを押しのけ水面に出た。あれ?何ともない。クラゲは密集状態だとお互いに刺さないのだ。
水底にキスがたくさんいることを確認して居たので、浜に居たキャンピングカーを真似してキス釣りでもしてみようかと思い、近くの釣り道具屋に行き、釣りの仕掛けと、ゴカイを買ってきた。竿はきゅうり畑に刺してあった細竹を拝借した。穂先のない竹に仕掛けを結んだだけの竿にキスは入れ食いだった。キスのいる場所を確認しているので大漁である。浜で焼いて食べたキスは忘れられない味だった。
隣のキャンピングカーで、フル装備でキスの投げ釣りをしていたファミリーはどうやらボーズであった様子。「そんな仕掛けでたくさん釣れて良いですね」というセリフを残して撤収して行った。