絵の具
ニューヨーク訪問も回数が重なると、変わった所を見たくなる。画材屋があったので迷わず飛び込んで見た。イーゼル、キャンバス生地など面白いものがたくさんあったが持ち運びに不便なので絵の具に注目した。
絵の具はいろいろあるのだが、日本ではあまり見かけなかったカドミウムバリウムレッドが有った。ついでに酸化クロムグリーンがあったので二つとも購入した。
帰りの搭乗手荷物検査で呼び出され、検査官にはさまれ「バッグを開けろ」と言われた。飛行機には危険物などを持ち込まないように気をつけているので「変なことを言うなあ」と思いながら、バッグを開けた。
そこにあったのはニューヨークの画材屋で購入した油絵の具だった。鉛チューブに入っているので、銃弾と判断したそうだ。中身のカドミウム、バリウム、酸化クロムなどもチェックされた。
挙句に、「どうしてこんなものを買って飛行機に持ち込むんだ?」絵の具は混色すると彩度は落ちるし、汚くなるので、あまり混色したくない。また、買ったままの色を使うのも面白くないので、珍しいものがあれば買うようにしている。だから「日本では見かけなかったので」と返事をしたら、「紛らわしいことはしないで」と注意された。すぐに解放されたのは嬉しかったが、銃弾と絵の具の区別はできるようにしてほしい。
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