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呑龍
亡き父は時々自分が第二次大戦中、飛行機乗りだったことを『ボソッ』と話してくれることがあった。
そのころの私は、飛行機乗りとは、戦闘機で相手と空中戦をする『ファイター』だと思っていた。
しかし父が載っていたのは『呑龍』という爆撃機だというのだ。
担当は、小回りの利かない爆撃機なので、敵の戦闘機から狙われやすいので、機首の銃座に座り攻めて来る敵を迎撃する係りだったそうだ。
飛行機乗りは視力が大切なので、松根油からできた目薬(アトロピンのことだとおもう)を差し、瞳孔を開いておいて、遠くの星を眺め、遠距離の視力を鍛えたそうだ。
その『呑龍』はどのような飛行機か知りたかったのだが、あまり華々しくないそのネーミングのせいか、雑誌の記事で、数度しかみたことがない。
ネット検索をしていたら、プラモデルが通販で売っているのを発見した。
間髪を入れず、注文した『呑龍』が手元に届いた。
箱を眺めて父を偲んでいる。
戦争とはなんだろう?