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二元的代表制の重さ

某県の首長のパワハラ疑惑が物議を醸している。パワハラに関するアンケート結果の、仮に、半数が事実であったと仮定しても、この首長の鈍感力はなかなかのものだと思う。

しかし首長の任期は原則4年であり、この首長の場合残り1年弱だとすれば、私自身を含む外野がとやかく言うことでもないような気がする。その首長を選挙で選んだ県民が判断することではないだろうか。もちろん、百条委員会を構成するのは、同じく選挙で県民に選ばれた議員なので、二元的代表制の下で首長と地方議員の立場は対等だが、首長の資質の問題で、有権者たる県民が何らかの権利を侵害されたとか、行政サービスが滞ったとか、具体的で重大な影響が県民にあったのだろうか?そこが一番大切なポイントであるように思うが、あまり情報がない。私が良く知らないだけだろうか。

深夜や休日に要対応の指示がトップから出されるのはあまり良いことではないが、ある程度の規模の組織で、かつ行政という責任ある機関においては、それを全廃することも現実的ではないと思う。全廃した結果、行政サービスが滞れば、その方が県民にとっては問題だろうし、公務員とはその職務性質上、そういう働き方が求められるものではないか。私の父は40年近く警察に奉職した。

最大の疑問は、選挙の時にその首長を擁立した政党が、その首長に辞職を求める可能性を示唆していることだ。擁立した責任の取り方を間違えているのではないだろうか?ましてや、その政党の共同代表は、少なくとも首長としては立場上対等な地方公共団体の現役首長である。地方自治の原則は、住民自治と団体自治であり、本来対等な立場の別の首長がこの問題に関与することは、パワハラ問題とは違う次元の問題を惹起すると思う。

地方自治の原則に立ち返って、県民の判断を待つべきではないだろうか?そう遠くない時期に選挙があるし、そこまで待てなくても、県民には首長のリコールを求める権利と手続きが保障されているのだから。最終的には選挙になるので、任期終了を待ってもあまり時間的違いはないかもしれないが。

地方自治法
第1条
 この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。
第81条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一(その総数が40万を超え80万以下の場合にあつてはその40万を超える数に六分の一を乗じて得た数と40万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が80万を超える場合にあつてはその80万を超える数に八分の一を乗じて得た数と40万に六分の一を乗じて得た数と40万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる。

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