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【Celesアート】をオーダーしてみた【後編】

2023年に期間限定コンテンツとして提供されていた【Celesアート】の体験記です。【前編】【中編】と大変長くなり、ようやく今回で終わりそう。 
書き終わっていたのに公開を忘れていました。気付けば2025年。今年はまだ香水買ってません。

三拍子揃った香りが届いたよ

無事オーダーし、わくわくしながら待つこと数日……
思ったより早く届きましたね。何を選んでいただいたのか気になりすぎて、靴脱ぐ前に開けそうになったりして。

それで結論から言いますと
イメージにも好みにも合う上に自分では選べない香りが来ました。

やって来たのはMIRKO BUFFINI OG
ミルコは昔、MOXI、SABA、Klito、MOAが気になって全部に振られたため、しょげたというかなんというか、そこですっかり追及をやめてしまったブランド。まずはディスクリプションを見ず、ムエットにひと噴きして直観を先行させる。
鼻を近づけた瞬間ふわぁっとスモーキー、黒、黒ですこれは黒。紹介してもらえてよかった!!

OG
“ESSE EST PERCIPI” 「存在することは、知覚されることである」

オルファクトリーファミリー:ウッディ、スパイシー、レザリー
トップ:ブラックペッパー、ジンジャー
ミドル:インセンス、ヴァイオレット
ボトム:レザー、ウード

サミュエル・ベケットの唯一の映画作品にして、バスター・キートンの最晩年の出演作『フィルム』
「見るもの」と「見られるもの」の非対称性を浮き彫りにしていくような無声映画からインスパイアされた香り。
古より「至高の宝」といわれるウード(沈香)がもたらす、奥ゆかしく上品な安息。
沈香の最上品は伽羅と呼ばれ、東大寺正倉院に収蔵されている蘭奢待は約1300年前に渡来したと言われ、時の権力者に愛され続けています。
長きに渡り人々を魅了する気品溢れるウードの、静寂に包まれた圧倒的な存在が感じられるOG。
香水という概念から外れた香り。肌にのせて初めてわかる魅力です。

Mirko Buffini Firenze 公式HPより

ちなみにFragranticaだとこんな感じ。構成要素と組み合わせは「こりゃ好きだわ」という感じ。
しかし香調バーではleather、animalic、oudが揃って上の方に。個人的にこの辺が揃って来ると塩梅が難しい。大抵ムエット結構好き → 肌の上でダメでした になりがち。体温が高く、肌質的にもなんでも甘く出る(または嗅覚/脳的に甘さを感じやすい?)のがおそらく要因。さてどうなるかな。

肌乗せ大成功

即肌でも試した。
ビリっとしたペッパーにジンジャーの清涼感が一瞬、すぐにスモーキーさがぶわ…と立ち上がる。黒いもうもうとした煙ではなく、濃いが時折向こうが透けるような白っぽくエレガントなスモーキーと感じた。甘みと苦みのパウダリー、そしてその奥から重厚感のあるレザーが迫る。ああこれは好きなやつ。好き。

しばらく家事などをして過ごしつつ、たまに腕の香りをチェック。
ジンジャーとペッパーの気配はヴァニラっぽい甘味に合わさって残っている。こういう構成の場合トップのスパイシーがすっかり消えてしまうものも少なくないので嬉しい。スモーキーで濃厚なレザー、その底に横たわるウードにざらっとしたニュアンス。その"ざらっと" の中にアニマリックがいる。
うーん、好き!
ラボラトリオのネロティックと大まかな方向性は似ているように感じるけれど、もっとスモーキーで彩度の低いような感覚。

やって良かったCelesアート便

というわけで、今回のオーダーは大成功。
何を買うにも接客を受けるのが割と苦手ですが、たまには人の手を借りて選ぶのもいいものですね。

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