居酒屋韓国 020 -謎の食べ物、スンデ-
【これは『居酒屋韓国』というエッセイ集の一つの記事になります。韓国で韓国人の友人たちとの交流を通して経験したことや知ったこと、韓国語についてなど色々と書き綴っています。(小休止は主に韓国語学習について書いています)】
ちゃんと覚えてないのですが、友人に連れられていった食堂で友人がスンデというものを注文してくれました。私の素直な感想は、というと。
「これ……何?」
不味くもないですが、美味しいとも感じないものでした。でも、話を聞くと韓国ではよく食べられている食べ物だということでした。ということで、今回はそんなスンデを紹介させていただこうと思います。
スンデを最初に食べたとき、不味くはなかったと言ったのですが、あまり味がしなかったという方が、正直な感想です。実は韓国で食べる料理は薄味が多いと思います。臭いが強いものが多いので味の薄さに気がつかなかったりするのですが、実は薄味で香りがしっかりしているのが韓国料理だと思います。ですから、日本で言うと関東の料理よりも西の料理の方が韓国の人たちの口には合うようです。少し話がそれてしまいましたが、スンデはあまり味がせず、何種類かの食感があって、なんとも言えない食べ物だと感じてしまいました。韓国ソーセージという人もいますが、肉のジューシーさを期待すると肩透かしをくらいます。
さて、スンデ(순대)が何かというと、簡単に言うと豚の腸詰めです。こう聞くと、「ウィンナー? ソーセージ?」と思うと思うのですが、まったくの別物です。(さっきも言いましたが)
中身は(私も知らなかったので今回、調べてみました)、豚の血・春雨・もやし・もち米・白菜などです。ソウルで食べる時は、塩につけて食べたり、スープに入れて煮込んだものが多いです。釜山(プサン、부산)や蔚山(ウルサン、울산)では、タレをつけて食べることもあるようです。塩をつけたり、タレをつけたりするのでやっぱり私の最初の感想は正しかったようで味はあまりないのがスタンダードのようですね。
不味くはないのですが、味のあんまりしない何とも言えない食べ物ですから、私にはスンデという食べ物は謎の食べ物でした。ですから、見かけても注文することはなかったのですが、そんなスンデに対する思いが一変する事件が起きます。
「友人にどこか行きたいところある?」と聞かれたので、珍しく観光をしてみようと博物館に行きたいと言い、連れてってもらいました。その日はソウルの冬らしく寒い日で、温かい博物館を出ると体の芯まで冷えるような寒さ。何を食べに行こうかと聞かれたので、私は迷わずカムジャタン(감자탕)と答えました。友人はお薦めの店に連れて行ってくれました。そこにスンデありました。私の想像を超えたスンデが。はっきり言います。そのスンデを食べたせいで私はスンデが美味しいものであり、また食べたいとうずうずしてしまうほどになってしまいました。思わぬスンデとの出会い。
申し訳ありませんが、詳細は次回のカムジャタンで。そのお店はスンデだけでなくカムジャタンも最高なので一緒に紹介にさせてください。では、次回カムジャタンとスンデのお店をお待ちください。