見出し画像

居酒屋韓国 011 -ド定番 サムギョプサル 前編-

【これは『居酒屋韓国』というエッセイ集の一つの記事になります。韓国で韓国人の友人たちとの交流を通して経験したことや知ったこと、韓国語についてなど色々と書き綴っています。(小休止は主に韓国語学習について書いています)】

 私が韓国に行って友人に会い、その友人に何が食べたいか聞かれたときに何回かに一回、サムギョプサルと答えます。他の韓国料理を知らないからではないです。好きだからです。韓国料理の中でも定番料理のサムギョプサル。今日はサムギョプサルとその美味しいお店をご紹介させていただきます。
 知っている方も多いと思いますが、サムギョプサル(삼겹살)は豚バラ肉(肋骨周りの部分)を使った焼肉料理のことです。豚バラ肉は赤身と脂身が交互に重なり三層になっているように見えることから別名、三枚肉とも呼ばれています。(ちなみに、軟骨や骨がついた豚バラ肉はソーキと呼ばれていますよね)
 簡単に言ってしまえば豚バラの焼肉なのですが、このシンプルな料理にどうして私がはまったかというと、食感とジューシー感に理由があります。ご存じの通り豚バラは脂身が多く、焼くと油が溶け出しその油で肉を揚げ焼きのように焼くことになります。そのせいで周りはカリッとして、中はジューシーな独特の焼肉料理へと変化します。韓国で初めて食べたときに、この「カリッ」とした食感を初めて意識して豚肉を食べさせてもらいました。今までも少しはカリッとした肉を食べたことはあったはずなのですが、韓国で食べたサムギョプサルは、今までのものとは段違いにカリッとしていて、だからこそ直後に感じる事ができるジューシー感が際立って感じられました。このカリッとジューシーという連続パンチが私に襲いかかってくるわけです。何の抵抗もできずに私はノックアウトされてしまいました。そんなお肉を塩で食べたり、キムチと一緒に食べたり、わさびと塩のコンビで食べてみたり、味噌をつけて食べたりと色々な食べ方があります。思い返すだけで食べたくなってきますね。
 それでは、そんな素敵な料理であるサムギョプサルを食べることができるお店を紹介させていただきます。前編で紹介させていただくお店は、私が韓国でサムギョプサルを初めて食べたお店です。かなり有名なお店なので知っている方も多いと思いますが、私が好きなお店なので紹介させてください。
 私がお薦めするサムギョプサルのお店の一つは、肉典食堂(ユッチョンシクタン、육전식당)です。普段、私は1号店(本店)に行きます。場所は、東大門(トンデムン、동대문)近くの新設洞駅(シンソルトン駅、신설동역)になります。韓国国内でもメディアで取り上げられたそうで、旅行客だけでなく韓国の方もいらっしゃるのでそれなりに混むお店です。

 お店の詳細はこちらをご参照ください。

 このお店では鉄板の温度を測ってから肉を焼いてくれます。それを見ていて思ったのですが、私が感動したあの「カリッ」という食感は鉄板の温度が重要なのではないかと。それが理由でこのお店では必ず鉄板の温度を測ってからお肉を焼いてくれるのではないでしょうか。その証拠に、このお店はいつ行っても「カリッ」と感を楽しむことができます。また熟成サムギョプサルを味わうことができ、カリッと感に加えて、熟成させたお肉のジューシーさも同時に楽しむことができます。韓国の友人たちも美味しいと言っているので、地元の人たちにも美味しいと思われているようです。
 ところで、韓国の友人たちに言わせるとサムギョプサルを食べる時はソジュ(소주)が飲みたくなるそうです。ソジュとは、韓国焼酎のことで「チャミスル」(참이슬)とか「チョウムチョロン」(처음처럼)は有名で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ちなみに最近流行っているのは「セロ」(새로)という焼酎です(まだ多くはないですが、日本にも入っては来ているようですので興味のある方はぜひ探して飲んでみてください)。食中酒で色んな料理と合うお酒なので韓国の方々のようにサムギョプサルと一緒に味わってみてはいかがでしょうか。ただ、飲みやすい割にアルコール度数が高いので気がつくと凄く酔っていることもあるので飲むときは、ぜひ気をつけて下さい。(マスカット味やブルーベリー味など甘いテイストも売っているので、こちらもぜひ試してみて下さい)
 先に少し書きましたが、サムギョプサルを食べるときに塩をつけたり味噌をつけたり、キムチと一緒に食べたりと、食べ方はたくさんあります。サンチュを巻いて食べてもいいですし、肉をそのまま食べてもいいですし、お店では皆さん思い思いにサムギョプサルを楽しんでいる様子が見ることができます。皆さんもぜひ自分オリジナルの、自分の好きな食べ方を探してみてください。それができるのも韓国料理を食べるときの楽しみだと思います。味変が楽しめるというか、食べ方に自分の好みが反映させられるんですよね。私は、シンプルにお肉とお塩をだけで食べるのが一番好きです。それと、少し多めのキムチと焼いたニンニクとお肉をサンチュに巻く食べ方もかなり好きですね。この肉典食堂では、わさびとお塩というコンビでも味わうことができるので、こちらもぜひ味わっていただきたいです。なかなかお薦めです。それと、このお店ではポックンパプ(볶음밥 )という日本で言う炒めご飯?チャーハン?が〆にお薦めなので、お腹に余裕があればこちらもぜひ味わってみてください。
 早足で紹介させていただきましたが、韓国には本当に多くのサムギョプサルが食べられるお店があります。お好きな方は、自分にとってのナンバーワン探しをぜひしてみてください。旅行サイトなどにも色々紹介されていますし、個人の方のサイト、ブログ、Instagramでも紹介されていますので、それを参考に探してみると良いかもしれません。ただ豚バラ肉を焼いたものですが、その味わい、味わい方、本当に奥が深い韓国料理です。続編で違うお店やサムギョプサル店の楽しみ方を更に紹介させていただきます。今回はこの辺で。


お店の外観

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?