Traveler with Finder 1. 三国・越前松島水族館
始まりはいつからか、僕は長い間「旅」と「カメラ」に憧れていた。いや、僕の一家は旅行好きでよく県内外に行っていたし、今やスマートフォンにカメラが付くのは当然の時代なのだから、そういう意味ではカメラもすでに持っていた。
しかし、僕が憧れていたのはそういうのではなく――一眼レフを首から下げ、肩から下げたバッグに旅行道具を詰め、一人でローカル線に乗り込む、そういうものだった。影響を受けたのは「キノの旅」か、「水曜どうでしょう」か、あるいは他の――まあ、いずれにせよ一人旅ではないのだが