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なぜ、人は失敗しないと成長できないのか

どんなに経験を積んだところで、ビジネスにおいて全勝はあり得ない。

ビジネスとは、一定の割合で失敗するものでもあるからだ。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長も言うように、「一勝九敗」の世界である。

柳井社長の著書『一勝九敗』に、子会社をつくって野菜ビジネスをはじめたときのエピソードが紹介されている。

野菜ビジネスへの進出については、メディアの報道でも、なぜユニクロが野菜かという声が多く聞かれた。社内でも反対があったという。

だが、やってみなければわからない。

結果的には、1年半で野菜事業から撤退することとなったが、これを失敗と思うか、それとも、さらなる成功の原点になったと考えるか。あなたはどう思うだろうか。

私は、失敗を成功の原点と思える人は、失敗を糧にできる人だと思っている。

失敗は、自分が変わるためのチャンスである。これまでのやり方では越えられない壁にぶちあたり、それを乗り越えたとき、人はとてつもない成長を遂げる。

壁を乗り越えるまでのプロセスは試行錯誤の繰り返し。つまりは失敗の積み重ねである。人が失敗からしか学べないというのは、成功とは結果にすぎず、成功までのプロセスはすべて失敗の連続だからだ。

プレジデント2012.4.2号「お金に愛される習慣」より。(年収1500万円以上=n349、年収500万円台=n350)

ところが、せっかくの失敗を生かせない人がいる。失敗から目をそらしてしまい、正面から向き合うことができないのだ。

とくに若いときに成功を味わった人が挫折した場合、その失敗に向き合って乗り越えようとせずに、過去の栄光や実績で自分をなぐさめてしまうことがある。

もうひとつ、失敗から学ぶために身につけておきたいものがある。それは、現状分析の習慣だ。原因を振り返ることで、失敗を教訓として生かすのだ。

これは、結果が成功であったときでも同じだ。

「うまくいったときには窓の外を見て、失敗したときには鏡を見る」

経営戦略の名著『ビジョナリーカンパニー2』にある言葉だ。

この言葉が示すのは何か。私の解釈でいえば、とてつもない報酬を得る人とは、結果に対する現状分析を欠かさない人であるということだ。

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