数字だけの可能性にした圧巻の清水(2024.9.7 清水vs長崎)
自動昇格を占う重要な一戦
J2V•ファーレン長崎(以下、長崎)の長年の夢だった新スタジアムがいよいよベールを脱ごうとしている。
J2の天王山が行われる9月7日当日に1000億円かけたスタジアムを含む大型複合施設完成のニュースを目にした。
ジャパネット高田が現実にした長崎の夢のスタジアム。
この新スタジアムを引っ提げて来年は2018年以来のJ1の舞台で闘いたいと思うのは至極必然だ。
J2リーグ開幕から中盤戦までJ1昇格争いをリードしてきた長崎。
しかし、夏場の失速により長崎はこの間に順位を1位から3位に落とす。
自動昇格の2位清水エスパルス(以下、清水)とは勝ち点8差。
2位以内に入るには絶対落とせない清水との試合を長崎調子を上げられないまま迎える事になった。
試合前はいつも通り和やかな場外。
アウェイサポーター向けのお出迎えシートもいつも通り見られた。
9月とはいえ入場時には30℃を超えた現地。
かき氷やソフトクリームを食べるお客さんが多く見られた。
(筆者のおすすめはいでぼくのソフトクリーム)
徐々に熱気に包まれるスタジアム
席につきしばらくするとJリーグのマスコットの中でもトップの人気を誇るヴィヴィくん登場。
ただでさえ盛り上がるスタジアムのボルテージをさらに盛り上げる。
清水サポーターも負けじとエスパルスコールのあとにお馴染みの「グリコ」で会場をひとつにまとめる。
ウォーミングアップが終わりいよいよキックオフ前のセレモニー。
長崎のイレブン最後尾にはヴィヴィくん。
昔から清水サポーターが試合開始前に歌う「勝利への歌」で緊張感が高まる。
どちらがピッチサイドを選んだかわからないが、
後半ホームサポーターの方に攻めることが多いピッチサイドを前半からホーム側に攻める形でスタート。
やや長崎ペースの前半戦
前半攻勢に出たのは長崎。
やることはシンプルに清水両サイドの裏を狙いサイドのゴールラインに近いところで起点を作る。
マルコスギリェルメ、米田がサイドからのボールを良い形でシュートに繋げ得点にはならなかったが、
それでも24分にマルコスギリェルメが清水の緩くなったパスを掻っ攫い逆サイドのマテウスジェズスへ。
マテウスジェズスは確実にコントロール下にボールを置くとそのまま絶妙なコントロールショットで長崎に先制点をもたらす。
その後もマテウスジェズス中心に二度三度長崎が清水ゴールに迫るも追加点を奪えず前半終了。
両チームの良い均衡状態がありあっという間に前半終了。
緊迫感のあった前半を落ち着かせるようなハーフタイムの余興。
清水の一方的な展開の後半戦
緊張感が解れたところで後半開始。
後半は開始から清水が攻勢。
50分に自陣でボールを奪うと乾が自陣内から独走のドリブル。
十分に相手守備を引きつけたところでフリーになったルーカスプラガにパスを選択。
ルーカスプラガがDFに詰め寄られながらもダイレクトで打ちきって同点。
このあとも乾を中心に長崎ゴールに迫る。
長崎も攻撃的な選手を変えて流れを変えようと動くが清水の一方的な展開になる。
最後のところで長崎GK若原がボールを弾き出すがそこから効果的な攻めに転じることは出来ず。
結局試合は1-1の引き分けで終わった。
現実的な現在地の差と終盤戦に向けて
長崎としては昇格争いのライバルを直接叩きたいところだったが試合展開を考えるとよく引き分けられたという一戦。
それぐらい(特に後半戦)、清水と長崎には力の差があった。
勝ち点差は8のままだが清水が未消化の1試合がありそれを除いても残り8試合。
清水は攻撃面で別格の乾が怪我やコンディション崩したらという不安はあるが、
町田から今夏に加わった宇野がチームに大きな安定感をもたらしたことで大きく崩れるとは思えない。
対する長崎はリーグ中盤戦まで見せた攻撃の圧力が見られず。
残り試合を考えるとこの日圧巻のパフォーマンスを見せた清水との勝ち点差8を埋めるのは現実的ではない程の差があった。
それでも長崎にはもう一度、いや二度ブーストになると思われるイベントが待っている。
ひとつは長年ホームスタジアムとして使用して来た諫早でのラストゲーム。
そしてもうひとつは新スタジアムの柿落とし。
数字だけの可能性と思わざるを得ないがそれでも可能性ある限り何が起こるかわからない。
長崎が出来ることはとにかく勝ち続けること。
勝ち続けることで自動昇格枠に入ることが出来なくともプレーオフを優位に闘うことが出来る。
私も可能であれば長崎の新スタジアムを来季J1で見たい。
そのためにも長崎はもう一度自信を持ってリーグ終盤戦を闘って欲しい。
おじゃ