継続し成熟した組織で勝利(2024.6.30 FC東京vsアビスパ福岡)
1.FC東京とアビスパ福岡の初対戦
1993年Jリーグ開幕時のオリジナル10ではないものの、
Jリーグ内では古参と言われるFC東京(以下と、東京)とアビスパ福岡(以下、福岡)。
福岡は1996年にJリーグ参入。
東京は1999年のJ2リーグ創設時のメンバーでその年にJ1昇格を決める。
東京と福岡がリーグ戦で初対戦となったのは2000年第2節。
福岡は1996年Jリーグ参入してから数年経つも毎年成績は振るわず。
対する東京はJ1初挑戦ながら開幕戦のアウェイ横浜Fマリノス戦に1-0で勝利し、
その勢いそのままにJ1でのホーム初試合を迎える形になった。
当時は翌年竣工の東京スタジアム(現味の素スタジアム)が使えなかったため旧国立競技場を使用してのホーム開幕戦。
試合は東京の象徴アマラオ、単騎突破でチャンスを作るこの年加入のトゥットが福岡守備陣を混乱に陥れ2-0で勝利。
J1初挑戦ながら開幕2連勝を飾った(このあと第3節名古屋戦も勝利)。
当時のJはスピードや強さのある外国人選手を前線に置くだけでひとつの戦術になり、
飛び抜けた力を持った外国籍選手の存在が結果を残すための近道となった。
2.FC東京ホームゲームとして初の味の素スタジアムへ
そんなJリーグ初対戦から24年。
あまり騒がれてはいないが東京にとって福岡はホーム初試合を行った記念となる相手、
舞台は当時の旧国立競技場から2001年の竣工から23年の月日の経った味の素スタジアム。
18:30キックオフの試合の開始40分前に到着。
ちょうどフィールドプレーヤーがウォーミングアップに出て来たタイミングであった。
味の素スタジアムは2回目だが前回は東京ヴェルディの試合だったためFC東京のホームゲームとしては初。
マスコットのドロンパが盛り上げ応援のボルテージが上がっていくのを感じる。
対する福岡も遠方のためサポーターは少数精鋭ながら迫力ある応援を繰り広げる。
試合開始前、初めて噂のユルネバを聴く。
選手たちも出て来ていざキックオフ。
3.膠着の試合展開
試合は開始早々福岡が左サイドを攻略し宮からの絶妙なクロスをウェリントンが合わせる。
得点の入る可能性のあるシュートだったが東京GK野澤がリーチの長さを活かしてセーブ。
正直、この試合は堅いロースコアの試合になると思っていただけに、
開始早々のチャンスに得点の取り合いが見られるかもと心躍った。
だが結論から言えば前半はこの場面だけしか得点の入りそうな場面はなかった。
想定通り。
ただ前回味の素スタジアムに来た時の東京Vvs G大阪が0-0のスコアレスだったので、
味の素でゴールが入るところが見たいと願いながら後半へ。
後半は前半に比べてゴール前に進出する場面は増えるが相変わらず得点の香りがしない展開。
膠着した展開に62分福岡が選手交代で重見と小田を投入。
それでも膠着状態が続いたためぼーっと試合を観ていたが、
67分小田のクロスを重見がテクニカルに合わせて不意に福岡が先制。
急に試合が動き出し東京の混乱を突いて福岡が紺野、岩崎が立て続けにチャンスを作る。
対する東京も選手交代で流れを変えようとするが唯一可能性があったのが途中出場の荒木のフリーキックぐらいであった。
試合はこのまま0-1で福岡が勝利。
これで福岡は6戦負けなしとなった。
4.24年の時を感じる試合結果と内容
試合を終えて感じたのは福岡が大人のサッカーで勝ったということ。
個々の能力は東京の方が上だがチームとしての完成度は福岡の方が高かった。
個々がバラバラに行き当たりばったりで攻撃して崩せるほど福岡の組織だった守備は易くはなかった。
24年。
約四半世紀、干支が2周する年月。
産まれた赤子が成人し学生生活を終えて立派に大人になっている年月。
初対戦の24年前はスペシャルな選手の単騎突破になす術のなかった福岡が、
大人のサッカーで単騎突破をチームでいなし無力化する場面には、
Jリーグやサッカーそのものの発展と変遷を感じ取る事が出来た。
その背景には福岡がJリーグ初期のメンバーでありながら2000年代の長い時間をJ2で過ごした苦い経験と、
長谷部監督の下組織で戦い、J1定着とタイトル獲得したチームとしての自信と信念が感じ取れる。
東京も良い選手と首都というこれ以上にない発展のための条件を持っている。
この試合は不甲斐ないと言っても良かったと思うが首都ならではの人を惹きつける熱い試合の出来るチームになって欲しいと思う。
OJA
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