見出し画像

53,000人の一体感で掴んだ勝利(2024.5.11 ACL決勝1st leg 横浜Fマリノスvsアルアイン•UAE)




1.いつもと違う日産スタジアム

マリノス史上初のACLベスト8に進出してからおよそ3ヶ月。
そこから、山東泰山(中国)、蔚山現代(韓国)をいずれも強度高く劇的に下してACL決勝進出。
マリノス史上初のACL決勝とウィークデー開催だった準決勝までと違い、
土曜日の開催となったため少し遅くなりましたが今季初のマリノスの試合の生観戦になりました。

準決勝までは雨の中での試合ばかりでしたが5月11日は快晴。
多少風は強かったですが観戦するにはちょうど良い気候でした。

通常のリーグ戦だと両チームのサポーターで賑わう広場も今日はトリコロール一色。

マリノスサポーターのみで埋まる広場

スタジアムや案内板が国際表記で国際試合の色をより強く感じる。

国際表記の案内板


普段の案内板


この日はAFC主催の試合という事もあり日産スタジアムの表記も消えて公式には横浜国際陸上競技場となる。

NISSAN STADIUMの表記に幕が架けられる


普段の日産スタジアム
NISSAN STADIUMの表記と
日産車と選手の幕が上がっている



スタジアム内の飲食店では対戦相手のUAEから来たサポーターに配慮したアラビア語表記と「NO PORK」の文字。
アウェイサイドを少しずつ埋める白装束を着た方々に来てくれた感謝の気持ちと、
それでも勝たせないよと張り合う気持ちがより高まっていく。

少数ながらも迫力あるアルアインサポーター

2.マリノスサポーターの雰囲気作り

スタジアム到着時快晴の横浜国際陸上競技場


マリノスサポーターも試合に向けて徐々にボルテージを上げる。
バス待ちに向けての決起集会とそこからターミナルへのチャントを歌いながらの行進。
この光景は圧巻でこの姿を見せられたら微力ながらも声出して応援しようという気持ちになった。


いつもはなかなか埋まらない2階のスタンドまでぎっしりのマリノスサイド。

民衆の歌の時の演出

いよいよ選手入場というところでまた圧巻の光景。
マリノスのチームカラーのトリコロールをスタジアム全体でコレオし後押ししてることを表現。

トリコロールで埋まるスタジアム

アルアインサイドのスタンド以外がトリコロールになったところで選手入場。
スタンドで目にした私でさえも心震えるモノがあったぐらいなので、
ピッチサイドからこれを目にした選手たちはこれを見て期するものがあったに違いない。

W杯など大きな国際大会で目にするエンブレムのマリノスバージョンを見て更に気持ちが高まる。

3.勢いに乗って前半猛攻


そしてキックオフを迎える。

通常ホームゴール裏に向けて後半攻撃をするサイドを選ぶことが多いが、
この日は風もあったからか前半ホームゴール裏方面に攻撃するサイドとなる。
それがわかった瞬間にマリノスゴール裏は「来い!来い!来い!来い!」のチャント(応援歌)を選択。


このチャント、どこかギアを上げたいところで歌うだろうとは思っていたけど、
スタートからエンジン全開でいこうぜとサポーターからの意思表示に選手も応える。
対戦相手のアルアインは西アジアの王者がフロックではない事を証明するかのごとく速さ•強さ•判断の良さでマリノスに襲いかかるが、
マリノスは先発で出たすべての選手が今出来る最大限のプレーを表現し対抗。
12分に一瞬の隙を突かれてアルアインに先制を許すがそれでも気落ちせずに真正面からぶつかる。
サイドに中央にセットプレーに余すとこなく起点を作り次々にアルアインゴールにシュートを浴びせる。
アルアインGKのUAE代表イーサのファインセーブ連発で得点は奪えなかったものの、
前半だけで14本のシュートを浴びせ手応えを掴んで前半を0-1で終える。

前半の45分あっという間だった。
負けている時は時間があっという間に過ぎることが多いがこの日はそうではなく、
強い相手を圧倒する時間、場面の多いサッカーが面白くてあっという間に過ぎたという感じだった。

後半早く始まって欲しいなと思いながらもこの試合あと45分しか見られないかと寂しい気持ちになりながら後半を迎える。
どのタイミングで「一人一人の〜力を合わせて〜辿り着こうぜ〜最高の場所へ〜」のチャントを歌うかなと思っていたら、
後半選手が入って来るとともに歌い始めて嬉しくなった。

4.流れを呼び込み逆転勝利

後半は前半と違い堅い展開。

第二戦のUAEでのホームゲームをより優位なリードを持った状況で迎えるため、
アルアインの選手はちょっとした接触でも時間を使うために痛がり倒れる。
負けてるチームはこういった事されるとイライラして集中を乱しがちだが、
この日のマリノスの選手は乱れるよりもさらに落ち着きを増していった。

このまま0-1のまま上手く抑えられて1st leg 終わる事も覚悟しなきゃなと思い始めた72分左右の揺さぶりから植中選手のヘディングで同点。
さらに応援の声がより一層高まり逆転ゴールをスタジアム全体が期待ムードに包まれた84分に渡辺皓太選手のゴールで逆転。
最後はマリノスGKポープ選手が中東の選手顔負けの時間稼ぎで上手く時間を使い2-1の逆転勝ち。

苦しくなるであろう中東でのアウェイゲームを前に勢いに乗るような逆転で貴重なホームゲームを先勝しました。


5.逆転勝利を呼び込んだスタジアムの一体感

この日の観衆は53,704人。


アルアインサポーターは恐らく数百人だったと思うのでおよそ53,000人はマリノス応援に駆け付けた日本人だと思います。
最初は決勝らしい面白い試合が観られればぐらいの感覚で観ていた方も多いと思うけど、
試合が進むに連れてそういった方々がスタジアムの雰囲気に巻き込まれて自然とチャントを口ずさみ、
マリノスの応援に力が入る様はなかなか壮観だった。

かくいう私もいつもは試合をしっかり観たいので黙って集中して観るが、
この日は決起集会と試合前の中心のサポーターに感銘と覚悟を汲んで1試合通して声を出し続け歌った。
きっと試合中に引き込まれて声が自然と出して応援した人は多いんじゃないかと思う。
普段はあくまでサッカーをするのは選手と割り切って見ている私ですが、
この日は53,000人の想像を絶する一体感と流れを呼び込むスタジアムの雰囲気作りに考えを改める事になった。

試合後キャプテン喜田選手がマリノスサポーターの事を「彼ら」と呼んだ事に一つの答えがあると思う。
一週間後のUAEでのアウェイゲームではこの一体感をスタジアムで産むのは難しいと思う。
それでもここで得た一体感は消えるモノでもないし是非もう一戦戦い切ってアジアのタイトルを獲って欲しいと思う。

激闘を終えた選手を出迎える



おじゃ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?