超時空薄幸児童救済基金・7
(はじめに)
マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。
私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記(Re)が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。
(バックナンバーについて)
だいぶ数が多くなってきたので、マガジンのトップで一覧を見てください。時系列の若い順に並べてありますから、文末にある前後のリンクで流れを追って読むこともでるようになっています。
※6のReはありません。ごめんなさい!
※今回の(もしかしたら次回も)手紙は、何回かに分けて掲載する予定です。時間かけても100円分(って、いつも量は適当ですが)は絶対に書きますので! ご、ごめんなさいっ。見捨てないでっ。
では、奇妙な「ひとりPBM」的創作物の続きをお楽しみください。
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今月の手紙が届かない……。
それどころか、連絡役の男がこない。だから、言づても伝えられなかった。
半年ほど異世界からの手紙を用意していただけでフェードアウトしてしまう――やっぱり、そういうタイプの詐欺だったのだろうか?
そんなふうに思い始めた頃、ようやく連絡役の男がやってきた。
「どうしたんだい? 言づてを頼みたかったのに」
「申し訳ありません。あちらの世界との連絡に手間取りまして」
「じゃあ、もう手紙が来ちゃったの?」
私がそう聞くと、彼は申し訳なさそうに首を振った。
「それが……届いてはいるのですが……」
「悪い報せなのかい?」
どきっとする。
まさかとは思うが、彼女の身になにか起こったのだろうか?
騎士の修行は、相当に過酷だ。文面では健気に明るく書かれてはいるが、ひとつ間違えば事故で命を失っても不思議はないほどの……。
男がうなずいたので、私は息をのんだ。
「はい。悪い報せです」
「いったいなにが!?」
「今月の手紙は、とりあえず、これだけとのことで……」
連絡役の男が差し出した書簡筒の中には、便箋が一枚入っているだけだった。訳文の紙も一枚きりだ。
「ご確認ください」
そう言うと、男は一礼して去って行った。
まさか!?
本当に騎士見習いの身に何かが?!
事故か? バイクモル族に砦が襲われて全滅したとか……?
あるいは、無謀にも竜に挑んで……?
そんなはずはない!
いや、しかし……。
震える手で、私は彼女の手紙に目を通した。
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