ディプロマシーというゲームがある
昨日の「ちょっと重めのゲームをする会」は、7人でのディプロマシーだった。
前にプレイしたのがいつだったか、ちょっと覚えてない。
何回かはやっていると思うのだけど。やりこんだりしてはいない。下手したら、マキャベリやパックスオブブリタニカのほうがやっているかも。
このディプロマシーは、第一次大戦前のヨーロッパ各国が覇権争いをするゲームだ。
1エリアに入れる軍隊駒は1つだけで、戦闘ルールは少しややこしいのは海軍のルールぐらいで、プロットして一斉公開で軍隊駒を動かす単純なシステム。軍隊駒の数が増えるのは、秋ターンに新しい都市エリアを獲得したときだけ(減れば駒も減る)。
だから、このゲームの肝は各国(プレイヤー)間の交渉にある。行動をプロットする前に、決まった時間だけ自由に他のプレイヤーと交渉するターンがあるのだが、ゲームがどうなるかはこの交渉にかかっている。
一対一で、あるいは何カ国かで集まって、軍隊をどう動かすかなどの密談を交わし、進出先を決めたり支援を取り付けたり、同盟したり、誰を攻めるか話したり……と、流動的な交渉をするのだ。
交わした約束を必ずしも守る必要がない、ってところもこのゲームの怖いところ。
味方すると言っておいて他の国と組んで逆に攻めたりなど裏切りもあり。といって、嘘ばかり言って信用を失えば孤立するから、硬軟使い分けて、けっこうな交渉術が必要となってくる。
要するに、「しんどいゲーム」なのだ。もちろんそこが面白いんだけど。
各人の思惑と権謀術数の結果が、一斉にボードに表現されていく感じが楽しい。
ただまあ、こんな感じのゲームだから、感情的になると友達なくしかねないタイプの悪魔的な側面もある(いや、全面?)。ていうか、私もこのゲームやり込んでる人とかとプレイしたいかと言われると微妙。楽しいかもしれないけど疲れるだろうなーって。
今回だって、支援と進軍のコツを思い出したの数ターンたってからだし。
とまあ、そんなわけで、交渉の時間は毎回「数分」に限られているとはいえ、かなり消耗する。ガチで勝とうとプレイしているとヘロヘロになってしまう。
今日はそこまで消耗したくなかったので、セーブしてプレイしようと決めていた。
「勝負を投げたりはせずに勝ちを目指しはするが、丁々発止の裏切りや高圧外交やら、派手な扇動やらはやらないで、生き残れればいいや〜ぐらいでやろう」と決めていて、実際、初めにそう宣言していた。
もちろん、ゲームに参加する以上、あわよくば勝ちを拾いにいく。けど、基本的には、滅亡しての負けをしないよう堅持していれば――という感じというか。面子的に、いつものかんぽのゲーム会のメンバーだから知らない仲ではないけれど。それでもなあ。
前にゲムルで元遊演体のマスターばかりでやったときとかは、かなりすごかったけど(いや、あれはディプロマシーだったかなあ)。
本来は、18個の都市を取った人が勝ちらしいのだが、いくら重めのゲームをやる会といっても、ディプロマシーでそんなことができるまでやるには何時間かかっても無理なのでは? と思う。ということで、今回のゲームの終了条件は「どこか一国が都市をすべて失った(軍隊も全滅した)ら」か、「19時になったら」終了ということになっていた。その時点での都市の数が多い人の勝ち。
国分けは以下の通り。
・フランス 清原さん
・イギリス イグサさん
・イタリア 有一郎さん(交渉系マルチは苦手)
・ドイツ 赤ずきゅんさん(マキャベリ初プレイ)
・オーストリア 早島さん
・トルコ YANさん(徹夜明け)
・ロシア 伊豆
このゲーム、真ん中へんでエリアがごちゃついてるドイツとオーストリアが、かなりキツい。イタリアもまあまあキツいか。
あまり、各ターンでの各国の動きまでは覚えていないので、だいたいの経過を。
まず、私はロシアを担当したことなくて(昔GOさんがやったのを覚えているぐらいかな)、 初手から珍妙なことをしてしまった。
①ノルウェー目指してサンクトペテルブルクの北海岸に海軍を置いた
②イギリスと話をとりつけて北欧を分け合って、増えた駒を海軍にした
①をやって、イギリスを警戒させてしまった。まあ、それでもひとつ取ったときはよかったんだけど、なぜ②をしたのか? ロシアは陸軍国だろうに……。
と、3ターンぐらいしてから気づいた。
けどまあ、トルコとは仲良くやって、最後まで黒海はお互いがら空きにできたのは僥倖だった。
まあ、本当に勝ちたければどこかで(他の勢力を焚き付けて別方向からトルコを攻めさせつつ)一気に不可侵条約を破ってトルコの都市を奪う算段を必死こいて練らなければならないのだけど……。
前述のように面倒だから今日はそういうのやらなかった。
トルコと戦わなければ(あとイギリスとも)、まあ生き残れるので。
そうなると基本的には、オーストリアとドイツを攻めることになる。でも、2国をあからさまに敵にはできないから、ドイツとは仲良くするふりをして、オーストリアを攻めつつ、イタリアやフランスの動き次第でドイツも攻める〜ぐらいのことをぼんやり考えていた。
トルコと西へ進める間は良かったんだが、陸軍が足りない。バルチック海を進めば海軍でもなんとかなるが、ドイツに警戒されるだけだし……となって、都市を取れずに行き詰まってしまった。いや、ドイツがフランスやイタリアにつつかれれば、こちらも動けたが、オーストリアに完全に警戒されてしまっている段階でも、西がどこも戦端が開かれない。むしろドイツがオーストリアとイタリアにしかけて大国になっていく。
こりゃいかん! と、しかたなくドイツに攻め入ったら、次のターンでフランスもイギリスもドイツに攻撃して、さらにロシアもバルチック艦隊でベルリンを占領。ドイツは一気に10から4に縮小してしまった。いや、それどころか、次の一手で滅びるのでは……という状態に。
で、次のターンでドイツが滅びて終了となった。
最後のターンの手前で、やらずに投了〜みたいな話になって、「もし滅びるまでプレイしたら、イギリスの空白地とるつもりだった」って言っちゃってたので、さすがに今さらその通りにはできなくて攻めずに終わった。
最終的にイギリスが一位、トルコが二位で、ロシアはどこか(フランス?)と同率の三位だったか。って感じのラスト。
やはりこのゲーム、ボードの地勢も大事だけど、プレイヤー一人一人の考えやプレイスタイルそのものを地政学的な捉え方して対処しないといかんのだなーって感じだった。私が勝つには、活発なオーストリアとドイツが組まないでほしいなーと思いつつ、なかなか分断できなかった感じかな。あと、イタリアとフランスを焚き付ける材料はロシアにはないしなーというところか。ほぼ外交で密談したことなかったのがその証拠だ。
けどまあ、初めに思った通りの結果だな。二位で終われば上出来くらいに思っていたのでちょっと悔しかったけども。
テキストを読んでくださってありがとうございます。 サポートについてですが……。 有料のテキストをご購読頂けるだけで充分ありがたいのです。 ですので、是非そちらをお試しください。よろしくです。 ……とか言って、もしサポート頂けたら、嬉しすぎて小躍りしちゃいますが。