プロジェクト・ヘイル・メアリー

 マット・デイモン主演で映画になったSF小説『火星の人』の作者の本。最新作なのかどうかはよく知らないが、蒼龍に会ったときに薦められ、借りてきたハードカバーの上下巻。
 先々週くらいに読み終えていたのだが、かなり夢中で読んだ。
 とても面白い。
 深刻な状況を真剣に受け止めながらも、軽口を交えながら前向きに解決策を模索していく主人公が良い。その辺は、『火星の人』と同じで、気持ち良く読み進められる。
 読み進めるにつれていくつもの、「こういうお話だと思ったら、さらにそういうお話だったのね!」が待ち受けていて、私の感想記事を読んだ人に、この物語のその部分の衝撃を全て味わってもらうためには、何を書いてもネタバレになってしまう。

 映画化の予定もあって2026年の夏に公開らしいのだが、その映画の記事でさえ、読んだら盛大なネタバレになってしまっていて、本を読み終えてから検索して、「こんなに書いちゃだめだろ!」と憤慨したほど。
 確実に前述の衝撃を二つ三つ味わえなくなるので、「原作を読もう」と思った人はもちろん「原作は読まないけど映画を観よう」という人も、あらすじをちらっとでも書いている映画の記事や、公開近くなっての宣伝映像なんかは絶対に見ない方がいい。そのほうが楽しめる。マジでそう思う。

 だから、ここで書けるのは、冒頭から「記憶喪失状態で、宇宙船のなかでたった一人で目覚める」というピンチ!
 しかも背負っている任務が「かなりでかい」こと……。
 嗚呼、それぐらいしか書けない。
 でも、絶対に面白いぞ。
 一つの嘘を、いくつもの設定に活かす感じも実に良かった。マジンガーの光子力、ゲッターのゲッター線、ガンダムのミノフスキー粒子のようなね。

いいなと思ったら応援しよう!

伊豆平成
テキストを読んでくださってありがとうございます。 サポートについてですが……。 有料のテキストをご購読頂けるだけで充分ありがたいのです。 ですので、是非そちらをお試しください。よろしくです。 ……とか言って、もしサポート頂けたら、嬉しすぎて小躍りしちゃいますが。