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読書日記『プルーストとイカ』

 プルーストとイカ。題名は知っていたのだけど、内容は全く知らないまま図書館で借りた。少し離れた図書館に所蔵されていて、そこから取り寄せる形だったので、内容を見ないまま受け取った。内容を見ていれば、この本には挑戦しなかっただろう。  本著は読字の際の頭のメカニズムについて示したものだ。また、歴史、実証結果の観点から理論を積み重ねる。  なんとか読み切った。しかし、頭にあまり残っていない。今はそのタイミングにないのかもしれない。  ソクラテスは口承に拘り、読字を拒絶した。考

    • 読書日記『コンビニ人間』

       コンビニ人間の内容は、僕が今悩んでいることを代弁してけれているようで、とても心に響いた。  主人公の女性はコンビニが世界観の全ての生活を続けている。コンビニに自分を合わせ、コンビニ無しでは自分がない。この女性はマニュアルをマニュアルどおりにこなすことが正しく、マニュアルを常に必要としている。  僕は自分と重ねた。自分は身も心も会社に従属している。仕事で一喜一憂し、人生の多くの時間を費やしている。血肉化された会社が自分の中で反響しているように思えるほどだ。僕と会社は同じの

      • 製品の失敗に秘める学び 『世界失敗製品図鑑』

         本著は名だたる大企業の失敗を公開情報から分析した本だ。改めてどの失敗も示唆に富み、大きな教訓を得た。一方で、この本に出会わなければ、貴重な機会を逃していたのだと思う。感度を高く持って社会に接して行くことがいかに大切かと痛感した。

        • 企業の倒産から学ぶ 『世界倒産図鑑』

            人生には失敗が付き物だ。それは分かっているのだけれど、なるべく回避したい。そこで、過去の貴重な倒産事例から学びを抽出した本著を読んだ。  本著には様々な経緯で倒産に至った事例が紹介されている。そして、後書きにあるように、本著で紹介された企業はターニングポイントで短絡的な判断をして倒産に至っており、戦略的な視点に立った判断をしていなかった。著者は「戦略的=考える論点の多さ×考える時間軸の長さ」としている。  改めて自分の過去の失敗を考えてみると、短絡的な判断による失敗が

          心地よく他者と働くには? 『他者と働く』

           組織で働いていると、人間関係で悩むことはないだろうか。人間関係は、相手に意見を合わせたり、自分の意見を通そうとしたりする過程の中で、相手と自分の信頼関係が形成されて、信用を柱とした絆が深まり強い人間関係が形成されるイメージだ。  しかし、一旦この人間関係にヒビが入ると信用は失われ、関係性もおぼつかなくなる。最悪、修復できない人間関係に心を悩まされうつ病になることもある。では、人間関係とは一度形成されると回復不可能だろうか。著者は対話が回復の薬になると話す。  相手を信用

          心地よく他者と働くには? 『他者と働く』

          読書の楽しみとは? 『自分の頭で考える読書』

           僕は著者が配信するVoicyチャンネルのファンだ。著者の温かみのある語り口が好きだ。その著者が読書について語ってくれた。  読書はめんどくさい。活字の羅列が知らない記号のようで、薄っぺらい本でさえ鈍器のように重く、時間が無尽蔵に消えてしまうように感じる。本好きなら、消えていく時間も楽しみとして消化できる。スマホの短絡的な誘惑と比べると本は消化に時間が掛かる。その時間を引き取っても余るほどの時間的余裕がなければ、読書に目が向かないと僕は今も思っている。  でも、それは自分

          読書の楽しみとは? 『自分の頭で考える読書』

          読書日記16📖「ポケットブック 影響力の武器」

           僕は日々、たくさんの人の言葉を受け、判断、選択している。また、相手を説得し、判断してもらう場合もある。  一方で、相手に誘導され、謝った判断をしたり、自分で間違った判断をしたりしたこともある。  人の判断は意思の弱さで揺れるのかもしれないが、揺れやすい時があるかもしれない。  本著は相手にイエスを言わせる技術を集約した内容になっている。また、ポケット版ということもあり、コンパクトな新書サイズほどの大きさだ。合計で21個のエッセンスが掲げられていた。  自分も心が揺れないよ

          読書日記16📖「ポケットブック 影響力の武器」

          読書日記15📚読書を仕事につなげる技術

           僕は本をあまり読んでこなかった。本を読み始めたのは2年前からだけど、意識的に読み始めたのは昨年からだ。でも、全く本を読んだ記憶が定着していない。読んで終わりになっている。とりあえずの目標を読書量にしていたので記憶や成果は二の次としていたのだけど、投資に見合った成果が無い。  職場では読書より仕事の実績を残せと言われたことがある。目の前の問題を倒すように、仕事に自分のリソースを注ぎ込むことを指摘されたのだ。その時は読書を否定されたようで、内心、腹立たしかった。しかし、読書内

          読書日記15📚読書を仕事につなげる技術

          読書日記14 「いのちのレッスン」

           日経WOMANの本棚特集の小さなコメントに本著の紹介があった。たまたま図書館にあったので借りて、読んでみた。  著者は昭和戦前から平成を生きたシナリオライターた。96歳で本著を書きあげている。本著を読むと激動の戦前、戦時、戦後、高度成長期を駆け上がった熱量が伝わってきた。  著者が地道に人生を切り開いてきた言葉が多く記されている。 前に立ちふさがる壁の高さを測っていたら飛べない。目前の壁を突破するには、跳ぶしかないのだ。失敗したら、もう一度、原点に立ち返り力を蓄え、飛べば

          読書日記14 「いのちのレッスン」

          読書日記13 「おカネの教室」

           僕はお金について何も知らずに社会に参画し、仕事の見返りとして給料を貰っている。お金は生きるために無くてはならない資産であり、人を表す価値のように感じていた。しかし、お金とは何なのかよく分からないので理論的に説明できない。  本著は中学生のクラブ活動から、お金の本質を探し当てる。お金を「かせぐ」「もらう」「かりる」などに分解して、構造的にお金を捉える。  僕の淡い思い出と物語が重なり、お金について深く理解できた。 おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 しごとのわ 

          読書日記13 「おカネの教室」

          読書日記12 「14歳、明日の時間割」

            中学生といえば、自分に社会が侵食していく時期だと思う。親の干渉、学校の序列、葛藤。心の中で過去、現在、未来が化学反応し、未来に悲観したり、自分を責めたりして、自分を形作るステップに入る時期だと思う。  本著は主に中学生の優しさが伝わってくるエピソードの短編集になっている。  僕が好きなエピソードは、スピンオフの国語の先生のエピソードだ。  諦めきれない夢を達成しようと頑張る先生と自分が重なり共感した。なぜ夢を思い描いたのか。思わず、自問自答した。  純粋な中学生。僕も

          読書日記12 「14歳、明日の時間割」

          読書日記11 「世界の中心で、愛をさけぶ」

           純愛。透き通るような儚い純愛。今まで体験したことの無いような優しさと刹那さを感じた。  涙を込み上げながら、読み進めた。感想を残す言葉が思いつかない。悲しく、優しく、辛く、悔しい思いでいっぱいだ。僕も人を愛すことができたら、愛し合うことができたらと願った。 世界の中心で、愛をさけぶ https://www.amazon.co.jp/dp/4093860726/ref=cm_sw_r_cp_apan_glt_i_26NN5AWTQR0MCQ6SDRRF

          読書日記11 「世界の中心で、愛をさけぶ」

          読書日記10 「この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ」

           僕は会社を勤めていた際、体の不調も自分の甘えと考えて、惰性で仕事をしていた。ある日、上司に産業医に行くことを勧められた、現在の長期休暇に至る。  僕は当時、自分の能力を越えた仕事をしていた。しかし、うまく仕事ができず、不平不満を唱えていた。誰にも気を遣うようになり、話す言葉さえもおぼつかない状態だった。それでも会社に行こうとしていた。  本著は心の体調不良を訴える人々を助ける視点を与えてくれた。また、退職は逃げるはけでなく、人生の転換としている。僕は同じ会社をずっと勤務して

          読書日記10 「この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ」

          読書日記10 「隷属なき道」

           僕は、この泥試合はいつ終わるのだろかと、職場で感じることが多々あった。自分の仕事がなぜ付加価値を作っているのか、本当に自分がしたい仕事なのか、本当に社会が必要としている仕事なのか、と考えると、ノー、ノー、ノーで全てノーで、自分の存在価値は無いのではと、自問自答していた。  今は適応障害で一時休職しているので、当然会社からの仕事の依頼も無い。僕が居なくても、会社は平然と稼働して収益を上げているのだ。サラリーマンであればしょうがない一面なのかもしれないけど、とても寂しい。  一

          読書日記10 「隷属なき道」

          読書日記9 「40歳の教科書 親が子供のためにできること」

           僕の意見はある一面なのかもしれない、と立ち止まって相対的に比較する心の余裕は少ない。しかし、相対的に見るからこそ、持論の輪郭がはっきりし、根拠も理論的なものになると思う。様々な意見を知ることは、自分の視野を増やし、視界を広くすることができると思う。  本著は約10年前の書籍だ。以下の英語、中間一貫校、お金、失敗の、4つテーマについて、語られている。 英語はいつかは学び始めるべきか 中間一貫校は幸せへのプラチナチケットか 「お金」と「仕事」をどう教えるか 挫折や失敗

          読書日記9 「40歳の教科書 親が子供のためにできること」

          読書日記8 「自分の時間を取り戻そう」

           以前、職場で同僚から「自分は時間が無い。なのに、なぜ目的のない会議を召集するのだ」と強い剣幕で怒られたことがある。その頃、僕は何に対しても自信がなく、同僚を拘束して、意見を聴き、仕事をこなそうとしていた。しかし、度を過ぎた拘束回数に相手の堪忍袋が切れてしまった。時間は有限であることは十分に分かっているはずなのに、他人の時間となると気が回らない。ましてや他人の時間の残量など全く気にしていなかった。時間は誰にとっても貴重な資源だと再認識した経験だ。  僕は工場の仕事が長いこと

          読書日記8 「自分の時間を取り戻そう」