縁結びパワースポット探検隊①
出雲といえば縁結び
こんにちは出雲市民です。
出雲といえば縁結び。―――「縁結び」という言葉は出雲市中にあふれていて、空港の名前は「出雲縁結び空港」、出雲市役所には「縁結び定住課」という課もあります。
県外から友人知人を招くと「縁結びのパワースポットを教えてほしい。縁結びのパワースポットに連れて行ってほしい。」とリクエストされがち。
しかし、まず私が縁結びされていないんですよ。縁結ばれていない者が、あなたを縁結びのパワースポットに連れて行けると思いますか?
ということで、ここからの記事では、まだ縁結ばれていないIzumo365の編集部員を代表して、私B子と、もうひとりA子の二人が本物の占い師さんを出雲に招き、霊視による占いのパワーを用いていただきつつ、私たちにとっての真の縁結びのパワースポットを探します。
縁結びパワースポット探検隊だ!!結ぶぞ!!
※ここまで、文・Izumo365編集部
登場人物紹介
稲田万里(作家・占い師・イラストレーター)
福岡県生まれ。占い師。2022年『全部を賭けない恋がはじまれば』で小説家デビュー。 東京デザイナー学院卒業後、デザイナー、不動産会社、編集プロダクションなどに勤務し、スナックのママも経験する。占い師としての専門は霊視、易。不思議なものと巨大なものに惹かれる。好きな食べ物はじゃがいもとラム肉。
A子
島根県松江市出身。勤務地出雲。神社仏閣、自然と歴史、神秘的なものへの興味あり。仕事では高いプレッシャーと激務の日々。
B子
島根県出雲市出身。勤務地出雲。住民の少ない地域で育ったからか、ちょっと内向的。何事に対しても物怖じしないパワーが欲しい。
まずは私達どこに行ったらいいですか?
文・稲田万里
出雲生まれではないが、なにかと「出雲」に縁がある人生だ。この地に何度も訪れるたび、神様と人間が混在し街中に存在しているので、いま見ている現実が古代出雲神話の続きのように思えてくる。
はじめまして、福岡で占い師をやっている稲田万里です。
今回、新年から超開運したい出雲在住の女子2人が私を待っているというので、寒さが襲う昨年末、列車に飛び乗り、出雲市駅へ向かった。
笑顔が素敵な2人と握手をし、まずは具体的な願いを聞くことにした。彼女たちを仮に、Aちゃん、Bちゃんとする。
Aちゃんは「真の縁結びスポットはどこか教えてほしいです。あと、恋愛運も強くしたいです。」と言った。
Bちゃんは「最近、仕事ばかりで人との縁が薄くなってて。そろそろ動き出したいなと思ってます」と。
そして彼女たちは、ここ数日で回りたいパワースポットが大量に載ったリストを持参していた。
なんという意気込みなのだろう。
これから彼女たちとの旅が楽しみになってくる。
「運命」は命を運ぶ、と書く。たった一つの自分の命をどこに運ぼうか。
幸せになりたければ、運が降り注ぐのを待っているのではなく、まずしっかり自分から動いてみるという姿勢が大事だ。もうこの時点で、AちゃんBちゃん、大合格!
私の専門は霊視なので、彼女たちの今の状態を視てみることにした。
パワースポットは何がなんでも全部回ればよいというものではない。
まずはAちゃんは、告白する勇気をゲットした方がいいとみた。
Bちゃんは、自分に自信をつけること。
2人に共通するものは、最後まで目標を成し遂げるパワーが足りていないということ。
今回の縁結びスポット巡りは、心身共に力をみなぎらせ、自分に自信をつけていくことを目標とする。
須佐神社
「まずは、仕事運」
まずは仕事運を上げてくれる須佐神社へおみくじを引きに行こう。
実は仕事運と、愛情運、恋愛運は肩を組んでいるもので、一緒に引き上がるのだ。
聞くと2人は働き盛りで仕事も一生懸命頑張ってしまうというので、まずは仕事から上げて行こう!
ここは山の中にあり、車で行くことが必須。交通手段をしっかり確保してから向かおう。
2人のおみくじの結果は、吉と小吉。うーむ、まずまずだ。
おみくじは大吉になるまで何度も引いてよし、と私は思っている。勝つまで引きたい方は、何度もトライしてみるといい。
本殿の裏手には樹齢1300年の巨大な大杉の御神木があるので、そちらにも参拝させて頂く。
境内の中には、須佐の七不思議といって、様々な云われがある場所があるので時間があればぐるりと巡ってみるのもいい。
私はいつも境内の中に自販機があった場合、聖域の気を吸った飲み物なのでありがたく飲むことにしている。
今回は温かいミルクティーをほっこりみんなで飲んだ。
岩坪明神
「自分の中の愛情に気づく」
次に向かうのは、出雲市の天然記念物であり史跡の「岩坪」。
かつて、かんばつの際に雨乞いをする場所として伝説が残る場所だ。
祠の真後ろの木は、気の強さで捻れているのが見えた。
ただ参拝するだけでなく、その周りの環境がどうなっているかよく観察することは面白い。世界はヒントに満ちている。
岩坪という、その名の通り5つ大きな深い穴があいており、川に流れる水で満たされていた。一番大きな穴は深さ140センチ、直径250センチもある。
なんとも不思議な場所だ。
3人で大きく深呼吸をして、岩坪をジィっと眺めていた。
Bちゃんが「なんかここは空気が軽く感じます」と言った。
「そうだね、苔もフカフカだし、気が良いね〜。そういえばBちゃんの最近の恋愛事情はどうなの?」。
この旅をしながら私のカウンセリングは続く。
「それがちょっと前に良いなと思う人がいてデートも何回かしたあと告白したものの、実は許嫁がいるんだと逆告白されてしまって」。
私は何人もお客さんを鑑定して来たが、許嫁がいるパターンで振られてしまうのは初めて聞いた。
「まじか。そんな意外な展開あるんだね」。
「はい、本当にびっくりしてしまいました。だけどこれにめげずにまた告白する勇気がほしいですね」。
おい許嫁がいるって言った人、Bちゃんを振るなんて100万年早いぞ。こんな切替えが早く、岩坪に満ちた水のようにたっぷりとした愛情を持った人間はなかなかいない。
愛情は相手から貰うだけでなく自分の中で満ちてこぼれてくることが大事だ。その余裕が恋を長続きさせる。それを振り返る場所だった。
つづく。
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