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とくとくの水麦士一茶/梅の木のの巻

Berjaln-jalan, Cari angin.
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 山家集あむ秋ハ来にけり
ひそひそと透見をすれば皃の露        麦士

初ウ九句、ただ付け継いだだけの句だったのかも知れないのですが。

     〇

ひそひそと ひそひそ・と。縦書きだと「ひそくと」。

透見を すきみ・を、透き見、すきまからのぞいて見ること。本当の姿を見抜くこと。

すれば 動詞「する」に助詞「ば」で、そうすると。

皃の 顔・の、浮世絵の大判くらいの表情で。

露 つゆ。(どうやら、外から見ていたらしい、露に濡れているのも気付かないで)

     〇

 さんかしふあむ ときはきにけり

ひそひそとすきみをすれば/ かほのつゆ

どうしてまあ、透見なぞを。
いえ何、毎晩毎晩遅くまで、何をしてるのか、と。
女房の機織りだって、見るなと云われても見てしまう、性というやつなんでしょうか。
あれですよ、あれ、断っときますけど、悪気なんてひとつも無いんですからね。

と、こんな付け句だったのではないかと、、、、、

     〇

「透き見」は、現代用語ではほとんどみられないのですが、近代の文豪、漱石、竜之介、鏡花、犀星、乱歩、治などの作品に残されていました。

近代のコトバだと「覗き見」ということなのでしょうが、これだとせいぜい寺山修司くらいまで、あとは文藝から外れてしまいますので、、、

7.11.2023.Masafumi.

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