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風早ハ兎文一茶/交流始末

     1-4
   人並に(表六句)

白浜の風を横きる雁落て
 苞のしめりの状にうつれる      蘇郎

     〇

四句は、できるだけ穏やかに付けます。近景や室内の様子、あるいは物の姿を細かく描く句が多かったようです。ソ郎さんの句はとてもよく出来た句だったのです。

苞は、食べ物を植物の葉や茎で包んだ保存食です。
 お使い物かなにかで、手紙といっしゃに包んでいたものですから
苞からこぼれた食物の汁で、書状に沁みがついてしまいました。
 ごめんなさいね、と。

ありがちな気色ながら、句にするにはちょいとした才覚が求められます。いかにも可愛く仕上げていますので、おそらく、使いの子どもなり、娘さんを叱ることも出来なかったことでしょうね。

     〇

俳諧には木然編「苞のかたみ」がありました。ここでの苞は納豆の苞でした。

18.10.2023.Masafumi.

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