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鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻
23
炉の残興の一座一服
鶴に乗て橋立見たきとばかりに 一茶
名オ五句、強い願望が人を鳥の背に乗せるのです。
〇
鶴に つる・に。鶴は冬に帰て春帰る鳥。列島では、鶴亀で長寿の祝う詞に。
乗て のり・て。鶴女房の民話はたくさんありますが、鶴の背に乗る噺は肥後にひとつだけ残されています。
橋立 はしだて。丹後の国、宮津湾に松林が美しい砂州があり、人は「天の橋立」と呼んでいます。
見たきと みたき・と。ぜひ見てみたいなあ、、、と
ばかりに 許に。もう、そればっかりなんだから。
〇
ろのざんきようの いちざ いつぷく
つるにのりて はしだてみたきとばかりに
茶の一服に、鳥の背に乗るファンタジーを付け、名残り表五句に記した一茶の句だったのです。
〇
「十訓集」に
大江山いく野の道は遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍
俳諧に
はし立や松は月日のこぼれ種 蕪村
と。
25.10.2023.Masafumi.