鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻
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芋汁に二日なぐさむ親のもと
小切貰ふて糠袋ぬふ 一茶
初ウ十二句、「おふくろさんよ」と付けた初折の懐紙綴目の一句。
〇
小切 こぎれ。布地の端切れのこと。
貰ふて もらうて。
糠袋 ぬか・ふくろ。かるく肌をなでることで、くすみ知らずの美人肌に。
ぬふ 縫う。チクチク針仕事。
〇
いもじるに ふつかなぐさむおやのもと
こぎれもらうて ぬかふくろ ぬふ
<親許に>の句に、<小切れ縫う>と付けた人情句。針仕事は母譲りだったのでしょうね。
〇
句に
縫初めの十かさねけり糠袋 かな女
がありました。
〇
初雪やの巻 初ウ七句~十二句
雑 賭に舟取られぬる松浦がた 堂
雑 やたらに火焚夜の罔両 茶
月 秋 虎吼る古き霊屋の秋の月 堂
花 秋 霧吹はれて花紅葉ちる 茶
秋 芋汁に二日なぐさむ親のもと 堂
雑 小切貰ふて糠袋ぬふ 茶
24.10.2023.Masafumi.