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抜歯と抜糸
今週は歯科での紛らわしい用語についてご紹介。
歯科では歯を抜くことを抜歯(ばっし)と呼びます。
医科では怪我をしたり手術をしたりした後に傷口を塞いでいた糸を抜くことを抜糸(ばっし)と呼びます。ただし、歯科でも歯を抜いた後、つまり抜歯をした後に傷口を塞ぐために糸で縫うことがあります。縫った糸は後日抜糸します。
そのまま患者さんに説明すると、「先日ばっししたので、今日はばっしします」となります。
また抜くの???とも思えてしまいますよね。なので、歯科では糸を抜く抜糸のことは「ばついと」と呼びます。
他にも歯科で用いる言葉で「歯、葉」、「口腔、航空」、「舌、下」など同音異義語は無数と言っていいほどあります。まあ、これらの多くは歯科と歯科に関係ない言葉の組み合わせなのでそれほど紛らわしくはありませんが・・・
ただし、歯科では舌も「した」とは読まず「ぜつ」と呼びます。これは「歯の下」とか、「下の歯」とかと使うので、舌を「した」と呼んでしまうと紛らわしいからかもしれません。
「抜糸するはずが抜歯してしまった」これはとても笑い事ですまされない重大な事態です。歯科では読み間違いや字の間違いで大変な事態になることがあるので、気を付けなければなりません。
同音異義語では無いですが、私はいずみ中山歯科に入ってすぐに「抜歯」を「伐歯」と書いてしまっていました。いずみ中山歯科に入るまでの20年以上に亘って森林業界に携わっていたので、「ばっ」という発音から伐採や伐木など木を伐る意味の「伐」を使うのが習慣になっていたからですが、前述のとおり文字の間違いで全く違う意味が生じることもあるので以後、誤字脱字などには一段と気を付けるようにしています。