国境が変わって国籍が変わったハンガリー人家族の話

元夫がハンガリー系スロバキア人で、一緒にいたときに義家族から色々な話を聞いたので、備忘録。

ハンガリーはトリアノン条約で国土の2/3を失った。

元夫の地元は、スロバキアのドナウ川沿いで、橋を徒歩で10分渡るとハンガリー。もともとは、ドナウ川の向こう側も反対側もハンガリーだったのだけど、トリアノン条約が決まって、ハンガリー国籍だったのがスロバキア国籍に。日本から見ると、あんまり変わらない様にみえるかもしれないが、言語も全く違う。フィンランド語とフィノウグリック語系のハンガリー語と、ロシア語と同じスラブ語系のスロバキア語。

そんな異国の国民にならなければいけない日があったとは。橋を渡って移住する人もいたそうだけど、おばあちゃんの環境変えられないからと、元義家族はそのまま居残った。100%ハンガリー人だったスロバキアの街が、徐々に変わって行った。

私が初めて行った1996年あたりは少数派のハンガリー系住民に対しての風当たりが強く、よくそのことが話題になった。その当時は、徴兵制度もあったので、ハンガリー人が軍隊で酷いいじめにあうとも聞いていた。当時の彼は、ちょうどその年齢で病気を言い訳に徴兵を逃れた。何度も、面接に行って、最後に免除になったのが決まったときは本当にホッとした。

近隣国同士でいがみ合っていたけど、私が帰国する頃にハンガリーもスロバキアもEUに入ることになって、、、、その町の人たちも喜んでいた。橋には入国審査もなくなって。牛乳を買いにいくのにパスポートを持っていかなくても良くなった。

将来どうしたいですか?と聞かれると、世界平和という言葉がどうしても出てくるのが不思議だったけど、こういう話を聞いていたからかもしれない。


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