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私の中の青いヒーロー
正義感に満ち溢れた、熱い赤にはなれない。
第一、私のような血圧の低い女は、赤にはなれない、と思っている。
正義感の正義という意味も、よく分からない。
どの立場から見た正義なんだよと、突っ込みたくなる。
その点、青はきっとそれも理解したうえで、闘っている。
誰かにとっての正義は、他の誰かにとっての不義になるということを知っているのだ。
青は誰とでも仲良くできる。
価値観の違いなんか、ふわりと飛び越える。
価値観や信念が皆、すべて異なることも知っているから。
だから自分の感情に任せてふるまうことに躊躇する。
そうすることで相手も自分も傷つくと思っているから。
青は、きっと心底、泣いたり笑ったりすることができない。
心底、感情を味わうには、冷静さ(冷静であらねば)が邪魔をする。
唯一、緑といるときは、冷静さ(あらねば)を手放しているかもしれない。
緑は好き。緑といると、素の自分で居れる気がする。
緑は言う、「で、結局、君はどうしたいの?」
そう、結局、青はどうしたいんだろう。
今のポジションは気に入っている。ひそかにモテるし、多分、自分はいい奴だ。頼られるのも大好きだし、役に立つのも好きだ。
でも、何かが足らない。
ほんとは、レンジャーショーでも、一番最初に舞台に飛び出したい。
ひそかにじゃなくて、正面でモテたい。
理にかなってなくても、正義を謳い、熱く戦いたい。
そして、大声で泣いて笑いたい。
もし、すべてが叶うとしたら、神様がいるとしたら?
いや、でもやっぱり赤のようには生きたくないな。と私の中の青は言う。
でも、時々、そうすることを許してあげることは出来るかもしれない。
そんな願いがあることも、認めてあげてもいいかもしれない。
たまには、アオレンジャーが正面に立ってるのも、新鮮で良くないですか?