毎日笑顔で通える学校 〜自分に合った教育を選べる時代へ〜 ②

先日、前回の記事で紹介したフリースクール「ちば森の楽校」の保護者会に参加させていただきました。 

稲毛海岸公園の記念館にある広間を使った保護者会では、子供達が自由に遊んでいました。普段は誰かの発表などに使われるであろうステージも、子供達が集まっておしゃべりするための広場のようになっています。
保護者会は、広間の一角にテーブルを輪にして並べた形で行われていました。どの方もリラックスした表情で、皆さん、このフリースクールに子供を通わせることができて本当に良かったとおっしゃっていました。しかし、ここに通わせるまでは、暗い表情で毎日を過ごす子供を前に、どうしてあげればいいのだろうか、と悩む日々が続いたのだそうです。

「学校の中にいる間は、その世界しか分からないので、ここしか居場所はない、と思い込んでいたんです。」
「他の世界があるんだ、って知ってたら、こんなに悩むことなかったのにな、って今なら思えるんですよね。でも、当時は、毎日しょんぼりしている子供と一緒にどうすればいいのか分からず、長い間子供も自分も落ち込む毎日でした」
「フリースクールが学校として認められているということをもっと早く知っていたらこれほど長い間悩まずに済んだのに、と思いました」

自分に合った居場所があるはずなのに、その存在を知らず、長い間苦しみ続けているこどもたちがいます。フリースクールの主催者の田口 晴三さんは、もっと救える子供達がたくさんいるはずだと訴えます。

「私はね、今は自分に合った学校を選んで通っていいんだよ、っていうことを子供にも、そして親にももっと教えてあげたいです。それぞれの子どもに合った教育の場の提供に関する法律、「教育機会確保法」について知らない人がまだまだ多いんです。」

2017年に、国は不登校の子供に、学校外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律「教育機会確保法」を制定・施行しました。これにより、フリースクールなどの学校外で教育を受けても、出席扱いとされるようになったのです。

しかし、この法律の存在が、保護者や教育現場でまだ幅広く啓発されていないために、それぞれの子どもに合った居場所に辿り着くことができない、また、辿り着くまでに非常に時間がかかるという現状があります。

次の記事では、その、自分に合った居場所へ辿り着くまでの、親子の葛藤についてお伝えします。


NPO法人ちば森の楽校さんのホームページ


義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(通称:教育機会確保法) について


いいなと思ったら応援しよう!