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とある施設での訪問リハ体験談その2
「いちばん大事にしたいことは何なのか?」
これが人によって様々異なるため、色んな考え方や方法があって然りとは思われるが、
では、たとえば自分が年を取って施設に入るという際には、どんな施設が良いと感じるのだろうか?
という前置きをしつつ、
前回に引き続き、今回も最近とある施設へ訪問リハビリに行って感じた内容の続きとなります。
前回の記事↓
前回は完全受け身の姿勢で訪問リハビリを待ち構えるのは良くないぞ、という感じの話だったが、
今回はそんな施設側に立って(想像して)みて思った話となる。
施設の経営は全くやったことがないので分からないが、一般的に介護は人手不足とよくよく言われている。
施設には国が定めている人員基準というのがあって、介護スタッフ1人に対して高齢者は何人まで見ることができるのか?というものがある。
全部で20人の高齢者が住んでいる施設には、常に2人以上のスタッフがいるようにしないといけない、みたいな感じだと思われる。これを維持しておかないとそもそも施設として認可されず継続できなくなってしまう。
では、実際の施設にはこの人員基準をどれくらい上回るスタッフの数がいるのだろうか?
また、その中で働くスタッフ1人の生産性というものは常に見直されているのか?
ここが、施設を選ぶ上でひとつ大事な点だとも言える。
基準ギリギリのスタッフ数しかいないのは良くないし、
スタッフがたくさんいても、その1人あたりの働きが少なければ良くないし、ということである。
#入る前に何とか分からないものか
同じ時間で10のことをこなせるスタッフもいれば、2〜3くらいしかこなせないスタッフもいる。これはどこの業種にも当てはまって言えることだと思う。
しかし、それをそのまま放置してないですか?と思う。
これは非常に難しい問題で、ではどうすれば10のことをこなせるようになるのか、については一概に言えないことではあるが、
いずれにしても医療や介護分野において、その不遇をモロに受けるのは、そこに住んでいる高齢者や障がい者であることを忘れてはいけない。
だから、放置しないでください、考えることをやめないでください、と切に思う。
今の人員基準って本当に適切なのかどうか、日々アップデートし続けられる仕組みはどうやったら出来るのか、
サービスの設計をしている厚生労働省も様々な立場があるとは思うが、
「いちばん大事にしたいことは何なのか?」
改めて現行の人員基準も含めて現状をしっかりと見てもらいたい。
そんなわけで、施設のスタッフ(人自体)が大事であることは言わずもがなであるが、
今訪問しているとある施設はこの部分が非常に残念なことになっている。
具体的なことは絶対に書けないが、そこに毎週訪問リハビリで出入りしているスタッフから一部状況を聞いて愕然とした。
泣く泣くの思いで施設へ預けているご家族からも、リハビリをしっかりとしてもらいたいという思いがあって、
それになるべく応えたいという訪問リハビリのスタッフがいるわけだが、
そんな思いに全く我関せずの施設の状況に愕然とした。
何度も言うが、これはあくまで一部であって、どの施設でもこうでは無いのだが、
本当に酷いような状況もあったりするが現実である。
その施設に毎週訪問しているうちのリハスタッフに対して、私も同じ理学療法士の立場として聞いてみた。
「その施設の状況、訪問してリハビリしていて、なんか虚しくならない?」と。
そしたらそのスタッフが言うのは、
「せめて自分が訪問している間は、出来る限り良くしてあげたいと思ってるんです。」
「今は全く協力してくれないですが、継続して訪問していれば、いつかは(施設スタッフが)気づいてくれると思うんです。」
なるほど。
すでに色々と超越してしまっているなと。
冒頭の、
もし自分が年を取って施設に入るという際には、どんな施設が良いと感じるのだろうか?
答えは人それぞれであって良いと思うが、
私は完全にこんなことを思って接してくれるスタッフがいる施設が良いなと思い、
やはりサービスは人がつくるものだなと、改めて思い知らされた。