胸にある大きな筋肉【大胸筋】
*こちらの記事は、いずみ訪問看護ステーションのアメーバブログ内で以前に投稿された記事と同じ内容になります。
リンク:https://ameblo.jp/izumi-houmonkango/entry-12551815876.html
#今見ても参考になるよ
さて、
やろうやろうと思っていた、理学療法士による筋肉講座(興味のある方向け)の、記念すべき第1回目です。
第1回目は、「大胸筋」(だいきょうきん)です。
世間一般的にも有名な筋肉なので、名前はご存知の方も多いかと思います。
#なかやまきんに君が動かしているやつです
実際の筋肉は、上記の写真のようになっています。
この大胸筋という筋肉ですが、
理学療法士として臨床の中では、
①肩関節を動かす(もしくは動きを妨げる)筋肉として
②呼吸する(主に吸う)際の補助筋として
③麻痺の回復過程を知る筋肉として
だいたい上記3つくらいの場面で、この大胸筋については考えることがあります。
①肩関節を動かす(もしくは動きを妨げる)筋肉として
上の写真にもあるように、鎖骨や肋骨~腕にまたがっている筋肉なので、腕を動かす際に力が入る筋肉となります。
具体的には、脇を締めるような動き、物を手前に引っ張るときに必要な筋肉です。
他に大事な点としては、四十肩・五十肩や猫背の方は硬くなりやすく、肩を動かすと痛みが出ることもあります。
#いわゆる防御収縮です
そういった際には、マッサージやストレッチをよく実施する筋肉でもあります。
②呼吸する(主に吸う)際の補助筋として
呼吸をするとき、さらには大きく息を吸おうとするときは、肋骨をより広げようとする動きが生じます。
その肋骨を広げようとする際に、この大胸筋に力が入ることになります。
*自然な呼吸の中ではほとんど力は入りません。
最近ではCOPDと呼ばれる呼吸器の病気を患っている方などが増えており、そういった方々は呼吸がしんどくなると大きく息を吸おうとするため、この大胸筋が疲弊してしまうこともよくあります。
この大胸筋が硬くなってしまうと、猫背のような姿勢に繋がってしまうため、さらに呼吸がしにくい悪循環に陥ることもあります。
そういった視点で、やはりマッサージやストレッチの対象になりやすい筋肉です。
③麻痺の回復過程を知る筋肉として
麻痺、というと、脳や脊髄などが損傷されて運動や知覚が障害されてしまう状態のことを言います。
この麻痺という障害は、発症してから数か月間は回復する見込みがあると言われています。
麻痺の回復の程度を判断するために、理学療法士はこの大胸筋を触って(硬さなどを確認して)今後の予測を立てることがあります。
一番ひどい麻痺は完全に力が入らない、だらんとした状態になりますが、大胸筋が完全に麻痺すると肩関節が脱臼する可能性が高くなります。
少しマニアックな話にもなりましたが、大胸筋についての話は以上になります。
ちなみに、この大胸筋が異常に発達すれば、人間も鳥のように自力で空を飛べるようになるかも。
#自由になりたい
ではまた!