夏のピースボートショートクルーズの様子をお届けします
こんばんは!
7月29日~8月10日までピースボートのショートクルーズにスタッフとして初乗船してきました。
私は一つの通訳会社と契約を結んでいるため、その間はお仕事をお休みさせていただきました。ちょうど子供も小学校のお泊りプログラムやいつも行っている東北の震災復興プログラムの1週間コースが入っていたので、主人に留守をお願いしました。
ピースボートとは長い付き合いで、2008年独身時代に、いろいろあって約4か月にわたるクルーズに通訳ボランティアという立場で地球一周をしたのが初めての関わりでした。
このクルーズは初めておりづるプロジェクトの名の下、広島・長崎の被爆者の方々に乗船頂き、寄港地で証言を行うという祈念的なものでした。
そのため、ピースボートも参画する核兵器禁止条約を推進するICANというNGOの集まりがノーベル平和賞を頂いた時は鳥肌がたつほど嬉しかったのに、関わるきっかけをつかめないで年月が過ぎていきました。
唯一、ピースボートが運営する韓国との共同クルーズには乗客として子供と義母と乗りましたが、船の保育園に子供を預け参加しまくった船内講座も興味深く、子供にとっても忘れられない初海外旅行となりました。
それが、今年のはじめに久しぶりに乗客の方々が主催する同窓会に参加させていただくことになり、そこに多くのピースボートスタッフも顔を出していました。
2008年のクルーズは現在共同代表を務める畠山澄子さんが同じ通訳ボランティアスタッフとして乗船していました。その畠山さんも参加されていました。
当時確か高校生だった彼女が大人でも難しい通訳の業務を若者らしい貪欲さで難なくこなしていた様子に驚かされたことが、昨日のことのように思い出されます。その時彼女が参加していたバカロレアプログラムのことを初めて知りました。
その畠山さんは、サンデーモーニングでコメンテーターとして活躍されている姿を目にされたことのある方はご存じかと思いますが、今ではすっかり素敵な女性になられ、年月の経つはやさを感じます。今回その畠山さんの誘いでショートクルーズに乗船することになりました。
長いクルーズでは洋上講座の通訳だけを行うのですが、昨今ピースボートが国際化しており、かなり多くの乗客の方々が外国籍の方々であること、洋上で過ごす日が4日と限られていたことなどから、講座の通訳以外にも色々兼務をさせていただきました。
寄港地での通訳、日本語講師、お客様の誘導、ピースボート災害支援センターの寄付募集のお手伝い、自主企画で防災と断捨離をかけたプレゼン等も行い、充実した分だけ、あっという間に2週間がすぎました。
以下に少し船内の様子を写真で紹介します。
今回の寄港地は済州島、舞鶴、金沢、小樽、函館でした。スタッフといっても専従ではないので、フリータイムも満喫しました。
下船後もスクールのたまってしまっていたお仕事が何とか一段落ついたので、最近はバタバタしてnoteをつける時間がとれず少し離れてしまった感がありつつも、下船して間もない今のうちに、楽しかった記憶を少しだけでも残しておこうと思い立ちました。
今回限られた講座の中でも通訳者としても一個人としても深めに関与することができたのは、非核化に関するトークと能登半島の地震を受けたピースボート災害支援センターの活動の軌跡に関するプレゼンでした。
また、オッペンハイマーの映画に関する批評を行って頂いた軍事ジャーナリストの前田哲男さんとは2008年にもご縁があり、今回も個人的に何回かお話をさせて頂くことができたのは、最高の思い出となりました。
次回のショートクルーズは2年先ですが、これからも、通訳者、仕事人としての大切な土台を築いてくれたピースボートとの関係は、大切にしていきたいです。
ピースボートに関して私が一番好きなところは、非常に懐の深い団体であり、右寄りの人、左寄りの人、どちらつかずの人、皆を温かく受け入れてくれるところです。
勿論、非核化や近隣国含め世界の平和構築という面ではゆるぎない信念を持っているピースボートではありますが、自主企画も含めて、人を不快にさせない限りにおいては、誰がどんな発言をしようが自由というのが一種のポリシーなのでしょう。
そして、個人の範囲でも、もっと広範囲にも、紛争は対話を通じて解決するという姿勢を貫いています。実際、2008年のクルーズでは自分の部屋のルームメイトがそりが合わずに話し合いにより部屋を分けるという対応をした際も、徹底的にお互いの思いを話し合うことで解決策をさぐる公平なプロセスがとられたことを覚えています。その際に腹を割って話すことのできたルームメイトは文字通り一生の友人となりました。
国と国、異なるブロック間の紛争はもっと複雑かもしれませんが、それでも対話の重要性を訴え続けるこの団体には深い共感をおぼえます。だからこのチームにいる時は本当の自分でいられるような安心感を覚えます。