169 アメリカで大学に取り残された留学生たち。
食堂も閉鎖へ。
コロナ禍という、世界が初めて直面する状況。
日本でもすべてがストップし始め、いったいどうなるのか、どうしたらいいのかわからない状態でしたよね。
そんな時に娘がアメリカの大学へ行っているのは、本当に心配で不安でした。
3月初めの春休みが終わると、通常はアメリカ人学生が大学に戻ってきますが、大学の授業もストップすることになり、寮に残っているのはほぼ留学生のみ。
大学からは毎週のようにニュースレターがメールで届き、コロナの感染状況や大学の対応について細かく報告がされていました。
とりあえず、大学のある村ではまだ感染者はいないとのこと。
ただ、州内ではかなり感染が広がっていて、日本の感染者数に比べると何倍も多い状況のようです。
寮に滞在している留学生も基本的に外出は禁止、他の学生と接触したりしないようにということで、各部屋で待機の日々。
そのうち、食堂も閉鎖されることになってしまいました。
留学生が1つの寮に集められる。
食料の方は、 最初のうちは教授が確保してくれたり各自が食堂に取りに行ったりしたそうですが、そのうちバラバラの寮に住んでいる留学生が1つの寮に集められることになったようです。
もちろん相部屋ではなく、通常は2〜3人部屋のところに1人で住むことに。
世界中がロックダウンに突入し、日本でもすべての学校が休校になり、 お店は閉められ、街がゴーストタウンのようになり。
それでも、日本ではまだそこまで感染は広がってませんでしたが、アメリカでは日々すごい勢いで感染が拡大していて、ニュースを見るたび心配でした。
「この村は人口が少ないから、感染者もいなくて安全みたいだよ。
みんななるべく町にも行かないようにしてるから。
村の水道も水質検査がされてて、最近ウィルスが発見されたとかで、警戒しないといけないみたい。
でも、来週にはワクチン接種することになったから。」
と、娘がLINE通話でそのつど様子を報告してくれていました。
ともかく、こういう時オンラインで話すことができるのは、本当にありがたい時代です。
そして、アメリカはワクチンの開発や接種の開始も早く、4月か5月ごろには大学の職員も学生も1回目のワクチン接種が受けられたようでした。
授業の方も、アメリカの大学ではいち早くオンライン授業が開始。
それに伴って、新たな問題が出てきていました。
帰国するのかしないのか?
授業はオンラインでできるとなると、ニューヨーク大学などでは留学生が全員帰国させられることになったんです。
いったい娘の大学はどうなるのか。
帰国するといっても、移動が規制されている中、帰国できるのかどうか。
留学生の中でも、中国人の子たちは「中国の方が安全だから」と早々に全員帰国していったようでした。
しかし、1番怖いのは、一旦帰国したら当分の間アメリカに入国できなくなるんじゃないかということ。
コロナがいつ落ち着くのかわからない中、一旦帰国して8月末からの新学期にまた戻ってくる、というわけにはいかなそうだったからです。
世界中がどうなるのかわからない、不安な毎日。
そうこうするうちに、5月半ばからの夏休みが近づいてきていました。