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「〜しなくてはならない」に縛られるとき②

「〜しなくてはならない」に縛られるとき①」
https://note.com/izumiarmera/n/n9af57cb7ac10

前回から少し時間が空いてしまいましたので、
前編のリンクを↑に貼っておきます◎

強迫観念から解放されていくには

この強迫観念から解放されていくにはどうすれば良いのでしょうか?
今日は簡単なとっかかりの方法を書いてみます。

ほとんどの強迫観念は「思い込み」として記憶の中に仕舞われ、無意識に使われています。大切なことは、先ずはこれを「意識」に引き上げることから始める必要があります。「正体」を明確にする、ということです。 

感情的な反応が起こる時、必ず観念的なものを内側に見つけることが出来ます。
ネガティブな反応とされるような、誰かを見て怒りが湧く、悲しくなる、などがわかりやすいですが、実はポジティブな反応にもそれは含まれている可能性があります。
 ネガティブな反応の場合は、「〜してはならない」「〜するべきではない」そんな強迫観念を持つ時、それをしている「ように見える」他者に対して抑え込みたくなる情動が起こりますし、ポジティブに思うような「素晴らしい」「羨ましい」「憧れる」などの反応の場合も、その反対を影にして「それに比べて〜は、、、」と、その逆側を押さえ込みたい情動が湧き上がる可能性もあります。一方を光として肯定し、一方を影として否定するような観念です。

自分の中にある強迫観念に気づいたら

 それらの観念に気付いたら、先ずは書き出すことをお勧めします。
自分が、何に「良い」と思っていて、何に「悪い」と思っているか、その上で、だからどうしないといけない、と思っているかを、「目で見えるように」書く。 そして今度は、身体をまっすぐに立てて、それをそのまま音に出して言葉にして言ってみます。「耳で聞こえるように」です。例えば、「間違ってはならない」があることに気付いたとき、
「間違わないことは良い」「間違うことは悪い」だから「間違ってはならない」
 
そうして両手を心臓のところに当てて、鼓動を感じてみてから、その強迫観念の言葉を声に出して言ってみて、丁寧に身体を感じてみます


そして、「身体」に聴いてみます。

「間違ってはならない」   「それって本当?」と

そして今度は逆を言葉にしてみます。
「間違うことがあっても構わない」 「それは、本当?」と。

そうして、もう一度「身体」を感じてみます。

その言葉が「YES」か「NO」か、「シンプルな身体の反応」を感じてみるのです。(アタマに聞くのではありません) 鍵は、瞬間的に身体から上がってくる「声」を聴くことです。

「アタマにいるわたし」と「身体にいるわたし」

「頭」の中には「わたし」という存在の過去の経験からの記憶しかありません。
そして、「わたし」とは本来「可能性としての種」を持った存在であり、「経験」「記憶」が始まる前から存在しています。「種」には「これからどのように花開くのか」というカタチが、既に含まれています。それは「他者からの情報」として与えられるものではなく、自らの内に宿るものであり、それを知っているのは「頭」ではない、ということです。ですので「過去」は「わたし」のほんの少しの側面でしかないのです。
 
 これは、「アタマ」ではなく、「身体」から上がってくる反応を聴く練習です。
どのように違うのか、ぜひ感じてみてください。
 もちろん答えが同じでも構いませんし、強迫観念に「YES」という反応があっても構いません。大切なことは、「強迫観念を持たないようにすること」や「YES」「NO」に なることではなく、「問いかけてみる」「上がってくるものを感じてみる」ことです。
 先ずはいろんな観念でやってみる、そしてこれを続けてみてください。

人生を自分自身の内に取り戻していく

先日、「人に喜んでもらえる人になるように」と育てられて、それが苦痛だ、という方のセッションを行いました。彼にはそれが重荷だったのでしょう、「こうしなくてはならない」という呪文にずいぶん辛い時間を長く過ごしたと話されました。

セッションでは、上記のワークを丁寧に行い、「自分の中にある真実」に自分自身で入っていくワークを行ったのですが、彼は自分の存在の深みから「人に喜んでもらえなくても構わない」という声と繋がり、涙を流されました。

セッションが終わってじっくりと振り返りの時間を持ちました。

彼は「これまで」と「いま」を「ここ」で繋げたあと、なんと、
「人に喜んでもらえる人で在ることを大切にする」と、嬉しそうに言葉にしたのです。
「人に喜んでもらえる人になるようにならなければならない」と苦しんでいた彼は
「人に喜んでもらえる人で在ることを大切にする」と決意することが歓びとなった瞬間。

 それは、両親から与えられた観念は、そのまま彼自身の中で歓びへと昇華したことを表します。

誰かに「させられる」のではなく、「わたしが選んでそう在る」こと。
自分自身の内に統合していくということ。

「ねばならないこと」なんて何もなくて、
「どう選択したいか」のみが人生を創っていく。

「人に喜んでもらえるとうれしい」と話す彼のその表情は、別人のように眩しく輝いていました。

観念に気付き、「自分自身の真実」に還っていくこと。
それは「わたし」に選択の力が戻ってくること。

見ている世界を外側から内側へ向ける


自分自身の内側にある観念が世界を見る見方を決定付けています。
そこで生きる限り、世界にモグラ叩きのように現れる「正しくない人」をいつまでも抑え込みたくなります。
「見ているわたし側」に意識を反転させること。
わき上がる感情は、自分の持つ観念に気付かせてくれます。
自分が世界をどのように見ているかをすべて教えてくれます。
そしてそれは、自分自身が自分をどのように見ているかという「自分側」に気付かせてくれる鏡でもあります。
 「鏡」は実際、ではありません。「鏡」なんです。
 大切なことは「鏡」に「写っている側の自分」に意識を向けること。

自分の中に隠れている一つ一つの観念に意識の光をあて、必要か、必要でないか、本当か、本当でないか、を「存在の深み」に聴いていく。

 わたしたちが「本当である」ことに繋がるために、いつも言葉にならない「体感」で、わたしの存在の深みにある「種」は、いつもそれに気付かせるようにメッセージを送ってくれています。

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The Art of Human Alchemy(AHA)
橋本 和泉
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