「主体性 vs. 受動性――アート思考とアスリート思考が育む自ら動く力」

主体性と受動性
ーーアート思考とアスリート思考から考える

◼️主体性を持つ人、持たない人の違い


私の周りには、自分で考えて行動する人と、指示を待ち、環境や他人のせいにする人がいます。
この違いはどこから生まれるのでしょうか?

「自分で考えて決めたことは、自分で責任を持つ。」
「誰かに決められたことは、うまくいかなくても他人のせいにする。」

これは、主体性の有無による違いです。

私はアーティストの父に育てられ、幼少期からアート思考を身につけてきました。そして、アスリートとしての活動経験もあります。どちらの世界も経験してきたからこそ、人は環境によって主体的にも受動的にもなることを実感しています。

◼️環境が人を受動的にする


多くの人が受動的になってしまうのは、周囲が先回りしすぎるからです。

例えば…

子育て
子どもの頃から親が何でも決めてしまうと、子どもは「自分で考える必要がない」と思ってしまいます。

教育
学校では「答えのある問題」を解くことばかり求められ、「自分で考える余白」が少なくなります。

職場
上司が指示を出し、それに従わないと評価が下がる環境では、「指示待ち」の文化が根付いてしまい、自分で決断する機会が減ります。

スポーツ
指導者が細かく指示を出しすぎると、選手は考えなくなり、試合中に自分で判断する力が身につきません。「指示されないと動けない選手」が育ってしまうのです。

このような環境が、人を受動的にしていきます。

◼️アート思考とアスリート思考が育む主体性


では、どうすれば主体性を持てるのでしょうか?
私が経験してきたアート思考とアスリート思考には、主体性を育む共通点があります。

①アート思考:自分起点で観察・思考・表現する


アートの世界には正解がありません。
「何を描くか?」「どう表現するか?」はすべて自分で決めます。
他人のせいにすることはできません。

主体的にアートに取り組むことで、「自分の選択に責任を持つ」感覚が鍛えられます。
また、自分の興味や感覚を深く掘り下げることで、「自分ならではの表現」を見つけることができます。

これはビジネスにも似ていると思います。

②アスリート思考:自ら考え、行動し、結果を出す


スポーツの世界でも、主体的に動くことの大切さを学びました。
試合や練習では、「どう攻めるか?」「どこを守るか?」をコーチの指示ではなく、自分で判断しなければなりません。

主体的にスポーツに取り組むことで、自分の限界を知り、成長する喜びを感じる内発的動機づけが生まれます。
「誰かに言われたからやる」のではなく、「自分の成長を実感すること」が、さらなる挑戦へのエネルギーになるのです。

私は、当時は新しい分野のスポーツだったので指導者がいませんでした。だからこそ、自分で考えなければならない環境でした。この環境も今思えば大切な訓練だったのかもしれません。

◼️若いうちの失敗は財産になる


主体性を持つためには、「自分起点で考え、決断し、実行する場を増やす体験(アート思考体験)」が重要ですが、その過程では必ず失敗を経験します。
しかし、若いうちの失敗は、むしろ積極的に経験したほうが良いと考えています。

なぜなら、失敗を経験しないと、リスクを取る勇気が育たないからです。

「失敗しても大丈夫」
「挑戦すること自体が価値がある」

こうした環境があれば、人は自らチャレンジするようになります。

アートでもスポーツでも、トライ&エラーを繰り返すことが成長につながるのです。

私自身、幼少期からたくさんの失敗をしてきました。
スポーツでも同じですし、ビジネスでも小さな失敗は山のようにしています。
ですが、諦めていないので、最終的には失敗を成功で上書きしていく予定です(笑)。

◼️「主体性」を育てるには?


では、主体性を持つために何ができるのでしょうか?

私の経験から言えるのは、「自分起点で考え、決断し、実行する場を増やすこと」が重要だということです。ただし、そのためには、事前の調査や実験も欠かせません。

• 何でも周囲が決めるのではなく、自分で選ぶ機会を増やす

• 指示を待つのではなく、自分から行動する習慣をつける

• 失敗してもいいから、「自分の選択」に責任を持つ経験をする

• 自分の興味に従って主体的に取り組むことで、内発的動機づけを高める

アートやスポーツを主体的に取り組むことが成長につながります。
そして、それは仕事や人生においても同じです。

「自分で考え、決めて、行動する。」

このシンプルな習慣が、受動的な人生から抜け出す鍵になります。

主体性を持つか、受動的に生きるか。
その選択もまた、あなたの手の中にあります。

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