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いつか死ぬ。いつか絶対死ぬ。

いつか死ぬ。
いつか絶対死ぬ。

当たり前だけど、
高校生の時に真心ブラザーズの
『人間はもう終わりだ』のこの歌詞を読んで、
いつか死ぬんだよなぁって
考えたのを思い出した。

というのも、先日、祖母の姉が亡くなった。
血縁的にはそんなに近くはないけれど
子どもの頃、隣町に住んでいた
おばあちゃんだったので
しょっちゅう会いに行っていた。
自宅とつながっている床屋の店舗を持っていたので
『床屋のばあちゃん』と呼んでいた。

ピアノは隣町に習いに行っていたので
お稽古の始まる前や終わりは
必ず床屋のばあちゃん家に行って暇を潰していた。
行くと必ず、「いづみちゃん、ほれ」と言って
オロナミンCかヤクルトかガラナをくれた。

大体いつもニコニコしていて
でも食べ物の好き嫌いは激しいから
ちょっと難しくて。

親戚付き合いがあまりない我が家にとって
床屋のばあちゃんは
親戚の代表みたいなものだ。

数年前には父方の祖母が亡くなった。
祖父が働かないクズな上に
たくさんあった土地も売っぱらって
財産を全て食い潰してしまったので
祖母は苦労したと思う。
祖母の家はボロボロであまり片付いていないし
みんなに迷惑をかける祖父が
嫌いだったのであまり遊びに行ったりしなかった。
地元でもちょっと有名なほどの変わり者というか
とにかくクズな祖父で
あんまり関係者だと思われたくなかったのもある。

今、思い返すと祖母もいつもニコニコしてたなぁ。
苦労した人だと思うし大変だったと思うけど
「いづみちゃーん!」って
いつも笑いかけてくれた。
祖母は教員になりたかった人で
私が中学校の先生になったことを
すごく喜んでくれて自慢に思ってくれていた。

だけど、私は祖母にあまり会いに行かなかったし
優しくなかったなぁと思う。

癌だったので、入院を何度か繰り返していて
もう家には戻れないかもという状況になった時に
電話をかけてみた。
そしたら「ご飯食べれたよ!ありがとう。大丈夫だよ。」って
少しだけ話して切った。
でもまた容態が良くないと聞いて
次の日の朝また電話をしてみた。
そしたら「あなた誰?」って言われた。
もう誰が誰かわからない状態になっているようだった。
「携帯電話がおかしいから直しに来てくれる?」って言われた。
遠いしいけないけれど
「うん!直しに行くね。今までありがとうね」って伝えて切った。
後から、父たちから聞いた話によると
父たちにも「携帯がおかしい」と話していたらしく
「いづみちゃんが直しに来てくれる」って言っていたらしい。
記憶の中に最後の最後まで
残してくれていてありがとうって思った。
死が近づいていて記憶がおかしくなることが
祖母はわかったらしく
私の父に電話をかけて
「もう話せなくなると思うから」と言って
自分の姉妹や私の従姉妹への手紙の場所を
伝えたらしい。

同じ孫の従姉妹たちには
手紙?物?があったけれど
私にはなかった。
期待もしていなかったし
その時は「あ、そうなんだ」くらいだったけど
やっぱり近くに住んでいる割に
あんまり顔みせに行かなかったし
かわいい孫じゃなかったからかなぁって今は思う。

でも遺品整理の時に
私が大学生の時に祖母に書いた手紙が
とっておいてあって
それを持って帰ってきた。
結構優しいこと書いてて
祖母に優しくなかったと後悔する自分への
「そんなことないよ」って
祖母からのメッセージみたいに受け取った。
(勝手だけどね。自分がどんな意味をつけてみるかなだけ)

私が祖母にしてあげられたことなんて
車乗せて隣町まで行ったとか
手続き系の時手伝ったとか
本当に数えるくらいしかない。
まぁ、初孫として生まれてきただけでとか
ひ孫を見せてあげられただけでとか
存在するだけでたくさん渡せているっていうのも
頭ではわかっているんだけどね。

人はいつか死ぬ。
絶対死ぬ。

今、悩んでいる目の前のことだって
いつか死ぬんだって思ったら
大したこと無かったりする。
誰かからどう思われていても
いつか死ぬんだからどうでも良かったりする。

だっていつか死ぬんだから。

いつも叶えたいことをゴールにして
コーチングをしているけれど
そのゴールの先には必ず終わりがある。
終わりがあるから
今、叶えようと思うし
この一瞬を大事にしようと思える。
終わりを意識できていないと
ただただ起こってもいない幻想に怯え
言い訳をし嘆き
あたかも一生今が続くような感覚で
生きることになる。
そして体が動かなくなった時にまた嘆くのだ。

どうせいつか死ぬのだから
思いっきり生きてみればいい。
どこまで叶えられるのか
やってみればいい。
絡まっているものがあるのならば
できるだけ解きたいし
この人生、精一杯
自分を表現して生きたいし
そういう人の伴走をしていけたら
私の人生最高だなと思ったって話。







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