お客さま必要がないものに2年間お金を払い続けるのですか?
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「お客さま、必要がないものに2年間お金を払い続けるのですか?」
私は、電話口で言われことに困惑した。
数年前、携帯電話ショップに行った時の事です。
携帯電話の機種代金を2年間分割して、支払うプランにしていました。
買った時より2年たち、支払いを終えていました。
そろそろ新しい機種が、欲しくなったのです。
新しいスマートフォンを選び、店員に月々の代金プランを説明されていました。
「いま、簡単に持ち運びができ、インターネットにつながる携帯用Wi-Fi機器がお勧めです」と店員は話しかけてきました。
携帯の電波が悪い所で、Wi-Fi機器があると、つながらない事がなくなります。
自分で持っていると、便利でいいと言うのです。
それは、小さくタバコの箱位の大きさで、かばんに入れても邪魔になりません。
「そんなに熱心に勧めてくるなら、よいものかもしれない」
と思い、勧められるがままに、契約しました。
私の家は、インターネットをひいていて、Wi-Fiプランにしていました。
外出先では、電波がつながらず、一瞬のタイミングを逃すと困る事はありません。
携帯の電波がつながらなくても、場所を変えればいいだけです。
家でも外出先でも、携帯用のWi-Fi機器は、必要はありません。
なのに、必要でないものを契約してしまいました。
契約した後、帰り道で「これは、必要だったかな?」とふっと思いました。
しかし気のせいだと考えました。
なぜなら、もう契約書にサインしてしまっていたからです。
必要な物だったんだ、これから便利だと思うはずと、思い込むようにしていました。
そんな時に、携帯電話会社に問い合わせをする事があり、電話をかけました。
電話に出たのは男性で、私の問い合わせ内容に答えてくれます。
話しの途中で、私が「そちらから、もらっているWi-Fi機器が」といいました。
「お客さま、もらったと、おっしゃっておりますが?」
と電話口の男性が早口で問いかけてきます。
「え?」と口ごもる私。
「もらったとおっしゃっていますが、毎月お支払いが発生しています」
丁寧な口調で、教えてくれます。
それは、分かっているんだ。と心の中で思いました。
私は、「でも……契約してしまったんです」と正直に話しました。
携帯代金は、Wi-Fi機器代金と一緒に、2年間の分割払いです。
なので2年間支払い続ける必要があると、思い込んでいました。
「お客さま、必要がないものに2年間お金を払い続けるのですか?」
と言って解約するように勧めてきます。
心の中で、今さら解約できるのだろうか? と不安になりました。
「とにかく、解約を出来るか、お店に行ってみてください」
と親切に教えてくれました。
電話を切ったあと、ぼうぜんとしました。
解約を勧めてくるとは、思いもよらなかった事を、言われたからです。
次の日、お店に解約をしに行きました。
親切な男性のおかげで、携帯用Wi-Fi機器は無事解約出来たのです。
帰り道、自分が情けない気持ちになりました。
解約出来て、ホッとしました。
同時に、契約して、すぐに解約したのが、恥ずかしいという思いがあったからです。
電話で対応してくれた男性は、解約を勧めたのです。
誰かに話しの内容を聞かれて、会社から怒られてないか、心配になりました。
このしくじった経験は、買い物をするという事に、慎重になりました。
欲しいと思うものがあっても、その時はすぐ買わずに、とりあえず帰ります。
一時的な欲しいという感情で、買い物をしないためです。
何日かたった後で、まだ欲しいと思えば買っていました。
そのうち「私に、本当にそれは必要?」と自分に問いかけます。
最近も、おしゃれなワンピースに出会っていました。
いまの時期も、ちょっと先の季節も着られます。
試着してみると、いい感じに似合っています。
いままでの私であれば、買っていました。
ですが、「ちょっと、考えさせてください」と買わずに帰ります。
しばらくしたら、洋服とは違う欲しいものが現れました。
今回は、必要なものではなかったのだと、分かるのです。
この方法を取ると、無駄にお金を使う事はなくなりました。
買い物は、恋人を探すようなものだと思います。
自分にとって必要なものとは何かを、考えるようになりました。
自分にぴったりの物を探すのは、まるで恋人を探しているのと似ています。
人によっては、刺激的な恋人、一緒にいて安らげる恋人と多種多様な好みがあります。
自分にとってぴったりな恋人は、違う人にはぴったりではありません。
例えば、叶姉妹の持っている豪華な服やかばんは、すてきだと思います。
ですが、その豪華さは私には、不要です。
もし、私が叶姉妹のような服やかばんを持っていても、着ていく場所がありません。
宝のもちぐされです。
自分の身の丈にあった必要なものを、選ぶという事です。
それがちょうどいいと、感じました。
本当に必要なものかと考えると、必要でないものが、多いと分かります。
恋人は1人で十分です。
それと同じで、自分にとってぴったりのものを、探していく事が楽しみになります。
たくさんのものは、必要ではないと分かりました。