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語り手 “梅田惠子”さん

「幼い子供たちは生き方のモデルを持ってない、そんな子供たちに昔話を語ることで、夢や希望の持ち方、生きたい姿の輪郭がだんだんと浮き彫りになってくるのよ。」とイキイキと子供の様に語られる梅田さん。さまざまな学校、さまざまな年代の子供たちに昔話を語られ、全国で活躍される梅田さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:福岡市
活動地域:福津市、宗像市、福岡市、柳川市
経歴:独身時代は心を支援する精神科の看護師として活躍。結婚出産後、退職。4人のお子さんの子育てをしながら、多くの子供たちに心に届くメッセージを生の声で届けたい、と絵本の読み聞かせから始め、30年間、語りの世界を表現。現在、小中高合わせ13校の授業に入りながら昔話を語り継いでいる。
現在の職業および活動:「おはなし会 昔っコ」創設、主宰。昔話の語り手育成・指導のほか絵本講座講師を務める。
座右の銘:昔話は心の教科書

~大事なことは言葉で伝える~

Q1:今まではどんな時代で、今からはどんな時代にしたいですか?

梅田:昔は本を読むとか書くとか一切できなかった時の話ではあるんですけど、人と実際話をして、朝起きてから寝るまですべてのことを言葉で伝えると言うのを人間ってやっていましたね。人との心の交流もそうだし、つまり大事な事を言葉で伝え合ってたんですね。

それが色んな便利なものが出てきてだんだん人や生の声を介さなくてもOKみたいな時代になってしまっているのが、非常にそれが気になります。
せっかく自分の目も鼻も口も耳も全部前面に向いてついているんですし、人間にしかないこの表情筋をいっぱい使って、自分のことを伝えたり、この手も足もやっぱり誰かを抱きしめたり触れたりとか、体全体で人とつながるというのが本来の人間として生まれてきたことでもあると思うのですが、それが機械が人間に変わって伝える方法が生まれてきて、そうすると人間の存在はどうなっていくのかなと置き去りにされる感じを受けますね。

昔話は人類が変わろうと民族が変わろうと、時代が変わろうと、人間として大事なことがそこに込められているから、心の教科書って言われる。それを生の声で伝えていくっていうことが、心というものを伝えるのには、一番自然だし最良の方法ですね。

人のエネルギーってすごいし、言葉のエネルギーもすごいんですよね。
生の声を発するということが、どれだけエネルギーが大きいかってところですよね。

「こうしたい!」という意思を言葉で発するということが、物事を動かしていく。
それは機械にはできないし、人間にしかできないって思いますね。

記者:すごくわかります。言葉でのコミュニケーションって無くなっていってて。ついついラインとかスマホでやり取りしちゃいます。言葉すら使わず、スタンプでのやり取りになっちゃったり。今改めて言葉にしてないなあって思いました。そして人間にしかできないことを大事にしていくのが、これからの時代の課題なのかなあ、とお聞きして思いましたね。次にうかがおうと思っていた2個目の質問にも繋がりますね。

Q2: AIが活躍する時代に今から必要とされるニーズとはなんでしょうか。

梅田:自分に備わっている能力、声やこの体にしても、5感覚にしても、そのすばらしさに気づいてないってすごく思います。使い切ってない。
例えば神というのがあるとすれば、「人間の機能をしっかり使っていきなさい!!」というメッセージとしてあるとは思うけど、なんせ目の前に良さげなものがあるから、気持ちがそちらに行ってしまいますね。
本来もっている人間の能力のすばらしさ、細胞ひとつひとつにしてもあまりにもそれを知らなさ過ぎている。あって当たり前だから、どう使うともっとそれが豊かなもの、とか、人を幸せにするとか、平和なものになるとか、ぜんぜんそれに気がついてないって感じるんですよね。
そのことに気づいていってもっと自分の人間力をアップさせていく事を人間一人一人がやると言うことが、また人と人がつながったり、理解したりする。

自分がどういう賜物持っているということがわかれば、自分のことを知るってことは他者のこともわかるということにつながるので、そのことを知らずに他の人とつながるっていうのはやっぱり無理かなあ、と思うので自分自身を知っていく、それをすることで今度はどう人間力をアップするかもわかりますよね。

人間力UPをなんでアップするかといったら、人とつながっていってそして私たちが「こうありたい!」という世の中を創っていくということにつながっていくのかな、と。
   
記者:気持ちが伝わりますね、すごく。
私たち自らが持っているものを知って、そこで繋がっていく、それをずっと続けてったら、3つ目の質問になりますね

Q3:「100年後あなたは何を残したいですか?」
 
梅田人間がどれだけすばらしい可能性を持った、希望あふれる生き物であるか、ということに全世界の人が知って、一人一人が尊厳ある人間として輝いていく、と、それが「美しい時代を創る人々」になっていく。

やっぱり自分の可能性がすばらしいことを知ると必然的にすばらしい顔になっていくのよねえ。それが一人ではない、二人三人四人と増えて、全世界の人がそうだっていうことに気づくっていうのはすごいよね。今話しながら、人ってすばらしい生き物なんだねえ。美しい生き物なんだよねえとだんだん自分で話して納得してます(笑)気づいてないことが色々ギクシャクした出来事とか、悲しい出来事とか起こしているんだろうから、よい悪いというよりもやはり気づいていないということ、そういう意味では学校教育が本当に変わってほしいなあ、と思う。

自分が何者であるか、というのを子供たちと一緒になって考えていく、答えを教えるとかではなくて一緒になって大人たち、先生たち、私たち親たちが考えていくっていうこと。私、親なんですけどね。人というものがどんなものであるか、どこからやってきて、どこに行こうとし、何をもって人とするか、生きるとはどうだ、とかね、そんな事を一緒になって考えていける大人になりたいと思いますね。(記者に向かって)がんばりましょうー!(笑)

私は保育所にもお話に行ってるんですけど、保育所の小さな人たち、自分が何なんだろう?ってぼーっとしたような感じなのね。その人たちは一つ一つの情報をポケットにいっぱいいっぱい入れてるんですね。でそれをいつかちょうど良いときにだして使おうとしているみたいなんですね。彼らが「生まれてきてよかった!人間でよかったぁ!」という、そんな確かな想いを持ってくれることに関われたらいいですね。

そういう意味では私たち大人の責任は大きいですよね。先に生まれた者として。あの混沌とした人たちに「こうある、ということがすばらしいんだよ」と伝えていくということに、私たちもしっかりしないとですね。

記者:本当にそうですね、梅田さん、今日は貴重なお時間をありがとうございました。

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梅田さんの活動、連絡については、こちらから↓↓

Facebook:https://www.facebook.com/mukashikko/
note:

編集後記
今日インタビューの記者を担当した古川と荒牧です。

梅田さんにお話伺い、昔話の新しい魅力を感じ、生きた言葉が人を動かして時代を創っていくんだなあと、新しい発見をしました。今後も梅田さんの活躍が楽しみです。

インタビュアー: 古川 HP:https://izumijisedai.wpblog.jp/

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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