ダークパターン
取り上げようと思ってたネタの一つなんですが、昨夜のクローズアップ現代で「ダークパターン」についての放送があったので、この機会に。
ダークパターンと言う言葉を知らない人も多いと思うので、わかりやすい例をあげると、
■ショッピングサイトなどで、この価格での提供はあと何分です、と言うようなカウンターを表示する。
■知らない間に定期購入になっていた。
■申し込み方法は簡単でわかりやすいのに、退会方法が複雑でわかりにくい。
そもそも退会方法についての記載にたどり着けない。
退会は電話のみで受け付けている
など、誰でも目にしたことはあるのではないでしょうか。
簡単に言うと、「法律にはふれない」けど、消費者や対象者を欺いたり、騙したり勘違いさせたりして、購入させたりサービスに申し込ませる仕掛けをしたウェブサイト。
と言うことです。
ネット上のサービスや販売方法に関して、「何かモヤモヤする」「釈然としない」「納得できない」と感じたことがあると思いますが、極論で言うと全てダークパターンの可能性があります。
もう15年以上前だと思いますが、アマゾンの「プライム会員1ヶ月無料」に申し込みました。
1ヶ月過ぎればプライム会員ではなくなってるんだろうくらいに思ってたんですが、数ヶ月後会員料金が引き落とされてるのに気づきました。
当時は会費は年払いの一択だったので、まだ気づけたんだろうと思います。
クレームのメールをしたらあっさり年会費は返金してくれました。
その時は「確信犯やん」「気づかったら儲けものくらいに考えてるんやろ」と思いました。
今でいう典型的なダークパターンですね。
それから間もなくして、このやり方は改善されたようです。
流石に大手はダークパターンを認識してるし、積極的にやってるところはないと思いますが、中堅以下の業者は知っててか知らずかは別にしてやってるところは多いです。
昨日のクロ現を見ていて、まだダークパターンについて完全には理解してないなと感じましたが、NHKが取り上げたと言うことに意味があるのかなと思います。
昨日の番組の詳細。
https://www.nhk.or.jp/minplus/0016/topic062.html
消費者庁の見解は「ダークパターンを包括的に規制することは難しい」
NHKのアンケートに答えた企業は「ダークパターンの定義が曖昧」
これがまさにダークパターンが蔓延する原因の一つです。
■「ダークパターンを包括的に規制することは難しい」
確かにそうですが、規制をしてもまた抜け道を探すのが悪徳業者です。
現状でできることもあると思っていて、それは悪質なダークパターンを採用してるサイトのリストを作って公開することだと思います。
外国では実際にダークパターンを通報するサイトがあるし、悪徳業者をTwitterなどで拡散しようという取り組みも行われています。
※ダークパターンを使う企業を明るみに出す草の根活動「Hallofs ham (恥の殿堂)
」ナイス!ネーミング。
ダークパターンと言う言葉を使ってその概念が紹介されたのはまだ15年ほど前ですが、実社会では何十年も前からこういうマーケティングは行われてました。
それをインターネットの仕組みを利用して数十、数百万の人を対象にやりだしたのですから、規模が違うしタチが悪いですね。
■「ダークパターンの定義が曖昧」
定義なんてどうでもいいですね。
実社会で昔からあった悪い手法がネットに使われ出して、法律で規制されてもまた違う方法を考え出すでしょうから。
数年前から少し取り上げられ出した「行動経済学」も興味ある考え方ですが、これを悪い方にマーケティングで利用することもできますからね。
全て理解した上でダークパターンを利用するサービスや商品の提供者、確信犯的にダークパターンを利用したサイトを作るウェブ制作者などは問題外だと思いますが、気づかずやってしまってる人も中にはいます。
自分がやってることはダークパターンに当てはまるのか?
チェックするのは簡単で「人として正しいことをしろ」に従うだけです。
利益を優先したり、お金に目が眩むこともあるでしょうが、「これは人としてどうなの?」を考えれば答えはすぐに出ます。
それが結果的に信頼に繋がり、利益にも繋がるんではないでしょうか。
私が身を置くデザイン業界、デザイン学校で講師の経験もある私が最近気になるのはオンラインスクールの在り方。
殆どが講師の授業などはなく、動画を見て自習すると言う方式。
それにも疑問はありますが、それよりオンラインスクールのサイトでの生徒募集のコピー。
「ウェブデザイン全くの未経験者が3ヶ月で案件獲得!」
これ、ダークパターンだと思うんです。
デザインを生業にしてる方なら、絶対無理だと言うのはわかるでしょ。
コロナが蔓延しだしてから特に目につくようになりました。
コロナ禍で仕事が減ったり、無くなったりで不安を持った人をターゲットにしたコピーじゃないかと思います。
私が仕事した学校の責任者は常に「教育業」「教育業界」ということを言ってました。
義務教育と高校、大学だけが教育業界じゃないんだと気づかせてもらえました。
生徒にビデオを見せて自主学習させる、講師とも言えない監視員程度のアルバイトがたまに生徒の質問に答える。そういう方式の学校は当時からありました。
「高っい自習室やな!」と当時は笑ってましたが、今はそれが主流になりつつあります。
せめてまともなデザインの教育はしてほしいなと心から願っています。
「何か腑に落ちない」「何かスッキリしない」と感じたら、それは間違いではないです。
騙されてるとまではいかなくても、うまく言いくるめられて利益(お金)を搾取されてる可能性があります。
そんな時は周りの友人や消費者センターなどに相談してみてください。
最後におすすめの書籍を。
これを読んだ時「そうそう、オレが言いたかったのはこういうこと!」と、今までモヤモヤしてたのがスッキリしました。
ダークパターンについてわかりやすく書かれた本です。
これが書かれた2022年、他にはダークパターンについての書籍はなかったように思います。
悪どく儲けてる奴らの手口をバラすような内容であり、出版には勇気が必要だったと思います。
「ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン」
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